9月に入って、だいぶ秋らしくなってきました
先日、会員であるJAPDT(日本ペットドッグトレーナーズ協会)のカンファレンスに出席してきました。
カンファレンスは毎年この時期に3日間行われ、全国からドッグトレーナーが集まります。
昨年は都合が合わず参加出来ませんでしたが、今回で6度目の聴講となりました。
時代と共に人と犬との関わり方は大きく変わってきました。
その昔、犬は人にとっての道具の一つだった時代もありました。
日本では家庭で飼われている犬の殆どが、番犬として外飼いされていた時代もありました。
今や家庭犬は室内で飼うのが当たり前となり、日本でも犬は家族という考え方が一般的になってきました。
ところが人と犬とのかかわり方が変わってきたのに、中々変わってこないのが『犬の躾方やトレーニングの方法』の世界です。
厳密に言えば世界的に見ればすでに変わっているのに、日本にはそれを変えられないしがらみが多く存在しているのだと思います。
なので同じ方向を向いてるだろう人達と接することは大きな刺激になり、自分自身のモチベーションも上がります
今回最も印象に残ったキーワードは
『放棄しない社会作り』
ご存知の通り、行政の犬の引取り数、殺処分数は年々減り続け、環境省の統計によると平成29年度は引取り38,511頭、殺処分8,362頭となっています。数字だけを見れば、飼育放棄される犬も大きく減っているように思えます。
しかしながら、行政の引取り基準が厳しくなったことや近年の保護犬ブームによって譲渡しやすい環境になったということで、実際の飼育放棄数はそれほど大きく減っていないのではないかと思っています。
空前の保護犬ブームでご近所さんでも、先住犬が亡くなった後に保護犬を迎える人も多くなりました。
先日もテリアの小型犬を2頭飼いしていた飼い主さんが、1頭亡くなって紀州犬MIXを迎えていましたそれも紀州犬のスタンダードより大きく、まだ増量中とのこと
大丈夫なのかと、ちょっと心配になりました
自分がドッグトレーナーという職業に就いたのは、あまりにも多い犬の飼育放棄と殺処分数にショックを受けたのがきっかけでした。
『躾さえしっかりすれば飼育放棄は無くなるんじゃないか』と安易に考え、当時では珍しく殺処分ゼロを掲げていたドッグスクールの門を叩きました。
入ってすぐに問題はそこだけじゃなかったと気が付いたのですが、時既に遅しでした
その後捨て犬のいない国スウェーデンのことを知り、飼育放棄のない社会作りの必要性を感じることとなりました。
とはいえ、日本とスウェーデンでは文化も歴史も違うのでそのままスウェーデン方式を当てはめても無理があります。
では日本での飼育放棄のない社会作りとはどういったものなのでしょうか?
あー長くなってしまいましたので②に続きます