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前回の続きです。

 

今年も2月になると委託先からの依頼を受けてみかんの選別と袋入れの作業を行うことに決まった。これは前年に私がまだ通所していた頃に行われていたのと同じ作業である。施設外就労と言って通常の通所よりも点数などが高い扱いになるようである。

 

このみかんの選別作業は立ち仕事になる上詳細は後述するがハードなので利用者からも不人気の作業である。私もあまり行きたい作業ではなく、カビがひどいので呼吸器に影響が出るという理由であまり参加しなかった経緯がある。

 

みかんの選別を何故内職の委託先がやるのかというのには理由があって、このみかんはアメリカ産で日本のみかんとアメリカのオレンジを掛け合わせて国産のみかんのようにむきやすくてアメリカのオレンジのように甘いと知られるマーコットという品種である。この品種は私も試食したことがあるが、粒が小さい以外は普通のみかんとして食べられるものである。皮はやや固いが味は国産のみかんと遜色はない。ただ値段が7個500円以上して高いが売れるらしく大量にスーパー等に卸すので作業代がかなり稼げるというコストもかかるが儲かるという委託先側の事情があった。当然のことながらこのコストを低く抑えたいという意向で障害者向けの作業所にも声がかかる。それよりもどうしても手が足りなくて他の作業より単価を高くしてもなかなか人手が確保できないという実態だった。

 

内職をやったことのある人はご存じかも知れないが、難易度にもよるが500円程度の商品なら単価はせいぜい3円から高くても5円である。詳細は分からないもののこの倍以上の単価が出ていた模様で、作業所側としても少しでも多くの利用者を送り込みたいという考えのようであった。

 

この作業は春になるまではまだいいが、春を過ぎて暖かくなるとカビや腐りなどが増えて歩留まりが悪くなる。カビの胞子が飛ぶような環境下で作業しなければならない。カビが生えたり腐ったりしたみかんは取り除いて捨てることになるがあまり気持ちのいいものではない。

 

この作業は事業所に広い作業スペースのあるところはみかんや袋を持ち帰ってそこでやる事業所もあったが、多くの事業所は狭いスペースでやっているのでこの委託先の作業スペースを借りて行うことになる。つまり作業担当の利用者たちを車で送迎しなければならない。私は人を乗せた車の運転はしないと宣言していたし、玉本さんは足が悪くて運転できないので、新しく来た堀中さんがこの送迎と作業の指揮を担当することになった。

 

この作業スペースが倉庫の一角のような場所で冬は寒ければ夏は暑く、薄暗くてパレットを敷き詰めて作った台なので高さもばらばらで重いものを扱うので肩や腰に負担がかかる。3K(きつい・きたない・危険)という言葉がぴったりくるような作業環境であった。

 

私はこのみかんの送迎は行かなくても良い代わりに定期の荷物の配送などで時々車の運転を求められることが出るようになってきた。

 

みかんの作業に平均5~6人駆り出されるが、別の委託先から来る作業もこなさなければならないので玉本さんと私は残って2フロアーに別れて作業していた。このみかんの作業をしている委託先からも比較的ロットの大きい作業が来ることもあって対応に大わらわだった。

 

この頃私は職員になって3ヶ月しか経っていないのに1人で1フロアの陣頭指揮を取らなければいけないこともしばしばあった。作業手順や進行状況の把握など私にとっては苦手とする業務が次々と待っていた。

 

この年はみかんの選別は5月までと言う話だったが前年にはだらだらと夏まで続いたので今年どう転がるかは予断を許さなかった。

 

 

話は次回に続きます。