前回の続きです。

 

何とかして精神保健福祉士の資格を持つ私を雇用したいと考えていた事業所側は障害者トライアル雇用という制度があることを聞かされたが私は既にその制度のことは知っていた。
この時私は精神保健福祉士の資格を活用して病院や社会復帰を促進している事業所への就職を希望していた。ただ、体力が思うように回復しておらず社会復帰は半年経ったころから検討すればいいと考えていた。

 

そもそも障害者トライアル雇用という制度はどのような制度かというと、就職の難しい障害者を一定期間雇用した場合に国からの補助金が事業主に出る制度である。ちなみに補助金は月額4万円で最長3か月までとなっている。なお、この制度で就職しても事業主は障害者雇用促進法の障害者雇用(2.0/100)にカウントできる。

 

もう1つ精神障害と発達障害に限っては障害者短時間トライアル雇用という雇用形態もある。これは週10時間から20時間までの間で障害者を一定期間雇用した事業主に補助金が出る制度である。これは月額2万円で最長12か月までとなっている。雇用の時間にもよるが障害者雇用促進法の障害者雇用(2.0/100)にカウントできる(1/2人)場合がある。

 

そこで何としても就職先をこの事業所にしてほしいと考えている事業者側は当面は短時間のトライアル雇用でもいいから来て欲しいとモニタリングの時に話すようになっていた。

 

この事業所で出る工賃は作業能力によっても異なるが私は最高で1時間200円だった。最低賃金で働けば1時間約850円(当時、大阪府)くらいになるので短時間でも収入増加は見込める。ただ、ほかの利用者さんがどう思うのかということはすごく気になった。利用者は6時間の作業で1時間200円として1200円で短時間しか働かないのに給料が逆転するという現象が起きる。一般就労を希望している就労移行支援の人たちは最低賃金についても概要は知っている。この制度の利用はちょっとできないだろうと私は考えた。

 

それならばフルタイムでの雇用ではどうかという話になるが私は体力は回復しつつあったが入院や半引きこもり生活で一旦衰えた気力や意欲の回復には時間がかかっていた。
何よりも資格取得時にはあんなにあった自信がすっかり失われたままだった。「自信がない」と言うのがまず首を縦に振らない理由として挙げていた。

 

あとは車の運転である。ちょうどこの頃、新しい職員さん(前述の桜川さん)が入ってこの人はすぐに送迎をするなど車を乗りこなしていたので少し練習していたとはいえペーパードライバー歴20年のブランクはそう簡単に取り戻せるものではない。

 

障害年金が月12万円出るようになったので失われたセルフエスティーム(自己肯定感)はしっかり回復させてからでも遅くはないと考えていた。

 

相変わらず煮え切らない返事をする私だったが、事業所側もあきらめることなく様々な手法で私をその気にさせようか考えているようだった。

 

 

話は次回に続きます。

 

 

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アスペルガー症候群へ

にほんブログ村

こちらも参加していますのでよろしくお願いします。

 ↓      ↓

人気ブログランキングへ