こんばんは。
日頃は何かとご高庇にあずかり、厚く御礼申し上げます。
本日10月10日は「ドラムの日」ですね。
2017年に制定されました。
ドラマーにとって特別な日にこの場を借りてお伝えしたい事が2つあります。
①自身の病について
②ドラムソロ動画 第二弾公開
長くなりますのでこちらのブログでは①についてお話します。
今まで公表していませんでしたが僕はFocal dystonia(フォーカルジストニア)という病気に長年悩まされてきました。
一言で言うと演奏中に手足が動かなくなる病気です。
文字通りピタっと止まります。そう、音が無音。抜けてしまうんです。
ドラムは四肢独立で演奏するとは言え一部位が通常ありえない止まり方をすると他の部位にも影響が出て音符がズレます。
結果的にリズムがガタついたり酷い時は演奏自体が止まります。
通常は両手、両足のどこか1部位だけに発症しますが僕は左手と右足に症状が出る非常に稀なケースです。
右足の様子がおかしくなったのは記憶にある限り5年前、左手に関しては11年前からです。おそらくもう少し前から進行していた可能性も十分あります。
僕は元々髪が真っ赤でロックな容姿なのに左手はジャズみたいなドラムの握り方で演奏をするという事で知人らに認知してもらえたのですがその背景は実は左手の症状によるものでした。
知人に「たくさん楽器を持ってるね」と言われますがそれも物を変えることで演奏が向上するならという気持ちからでした。
藁にも縋る思いでしたね。
自分で病気について調べ、身体づくりを意識し、スティックの握り方を変え、機材を変え、演奏方法を変え試行錯誤を繰り返しました。
それでも上手く演奏が出来ずに悩み、現場を降板させられた事もあります。
勿論自分の力不足もあると思いますが100%の力を発揮出来る事が絶対に無くなるのは演奏家にとって苦しいものです。
当時は原因が分からず「病気だから」とも言えませんし、言い訳も極力したくないと思っていました。
元々年間150回はライブをしてましたが症状が出る頻度も増えていきます。
この病気は驚くほど進行が早いのです。
肉体的にも精神的にも摩耗して一時は入院しかけたこともありました。
ですが僕はドラム、音楽が好きで一度も諦めませんでしたし演奏中は笑顔を絶やさないように努めました。
いつしか笑顔が素敵なドラマー、楽しそうに叩く人はたくさんいるがここまで爆笑して叩く人は見たことが無いとまで言われたこともあります。
プロとしてお客さんには伝わらないように。
勿論ライブが楽しいという事実はあったと思いましたが今思えば笑顔でいることで振り切ろうとしていたのかもしれません。
本音は演奏中に曲をストップしてステージから立ち去りたい。この場から消えたいと思って演奏したライブも数えきれないくらいあります。
これ以上迷惑をかけられない、落ちていく自分を見たくない・・・。
いつしかそう思うようになり少しずつライブをお断りし始めました。
原因もわかりませんし、断るのが元々苦手なので申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
「最近化粧乗りが悪くなってきたからライブはちょっと(笑)」
「ライブばかりで帰りが遅い!って嫁がカンカンで・・・(笑)」
とか冗談っぽく角が立たないように明るくお断りするのが精一杯でしたね。
注)バリバリの独身です(笑)
そんな状態から数年、長年原因不明でしたが2016年に病気の存在を知り専門医を訪ね治療に通い始めました。(専門医に関しては許可はとっていないのでここでは触れません)
強い意志を持ち続けた事、諦めないこと、また専門医と理解ある家族、仲間、友人に支えらえて症状は改善されました。
契約している楽器メーカーによるサポートにも助けられました。
今サポート等で参加させてもらっているアーティストさん達は症状、現状を既に話してあってそれでも尚「哲郎君で」と声を掛けてくれている方々です。
こんな状態でも頼ってくれる人達がいるのだから録音を頼まれた時に安心して叩ける環境、時間を気にせず試行錯誤出来るスペースを確保する為に2年前にプライベートスタジオも建設しました。
建設の背景には病気も一役買っていたのです。
今は自分の活動は勿論、外部のクライアントの案件も自宅スタジオで行っています。
生活も大事だけどクオリティーが下がるくらいなら・・・
この先どうするか考え始めた矢先に好きで請け負っていたレッスンがクチコミで何故か急増して今は生徒さんの数も100名近いです。
レッスンをする事で身体の機能についてもレクチャーするので自分としても勉強しますし発見もありますからタイミングが良かったんでしょうね。
病気についての公表は正直迷いましたが理由が2つあります。
・闘病の成果を収めた最新のドラム映像作品を今日10月10日 ドラムの日に発表したかったからです。ドラマーにとっては光栄な事ですから。
優秀なミュージシャン達、制作チームとの共演で最高の作品になりましたし当時の状態ではとても演奏出来ませんでしたが情熱を持ち続けること、諦めない事で夢はきっと叶います。
この作品が病気を含め、何らかの事情で夢を諦めかけている人、立ち止まろうとしている全ての人達に少しでも勇気と希望を与えられることを願い自身の病を公表しました。
一人のドラマーに出来る事は少ないですが自身の音楽が誰かの為になるのならこれ程嬉しいことは無いです。
・2つ目は元々症状をひた隠しにしていた訳ではなく一部の親しい人には症状の事を伝えていたのでそこから噂が広がったのか「ジストニアについて話を聞きたい」と何人かに相談を受けたことがあります。
僕は医者では無いので症状自体を治す事は出来ませんが精神的な部分での軽減は症状改善にかなり役に立ちます。
こういう演奏の仕方や改善方法がある等を伝えたり話を聞いたり一緒にスタジオに入る事は出来ますし実際に行ってきました。
同じ病にかかったことがある人にしか絶対にわからない苦悩を僕なら理解してあげられるので公開する事で同じ悩みを抱えている人たちの為になりたいと思いました。
少し長くなりましたがここ数年はこのような状態でした。
これを踏まえた上で次の記事に掲載する新作を見てください。
2年ぶりの最新作でここ数か月これに費やしてきました。
誰かの真似ではなく僕にしか出来ないことをしていきたいです。
楽器を演奏する人、しない人に関わらず見てくれた人の心の琴線に触れる事が出来たら幸いです。
哲郎
☆哲郎ツイッターはこちら☆
☆哲郎インスタグラムはこちら☆
日頃は何かとご高庇にあずかり、厚く御礼申し上げます。
本日10月10日は「ドラムの日」ですね。
2017年に制定されました。
ドラマーにとって特別な日にこの場を借りてお伝えしたい事が2つあります。
①自身の病について
②ドラムソロ動画 第二弾公開
長くなりますのでこちらのブログでは①についてお話します。
今まで公表していませんでしたが僕はFocal dystonia(フォーカルジストニア)という病気に長年悩まされてきました。
一言で言うと演奏中に手足が動かなくなる病気です。
文字通りピタっと止まります。そう、音が無音。抜けてしまうんです。
ドラムは四肢独立で演奏するとは言え一部位が通常ありえない止まり方をすると他の部位にも影響が出て音符がズレます。
結果的にリズムがガタついたり酷い時は演奏自体が止まります。
通常は両手、両足のどこか1部位だけに発症しますが僕は左手と右足に症状が出る非常に稀なケースです。
右足の様子がおかしくなったのは記憶にある限り5年前、左手に関しては11年前からです。おそらくもう少し前から進行していた可能性も十分あります。
僕は元々髪が真っ赤でロックな容姿なのに左手はジャズみたいなドラムの握り方で演奏をするという事で知人らに認知してもらえたのですがその背景は実は左手の症状によるものでした。
知人に「たくさん楽器を持ってるね」と言われますがそれも物を変えることで演奏が向上するならという気持ちからでした。
藁にも縋る思いでしたね。
自分で病気について調べ、身体づくりを意識し、スティックの握り方を変え、機材を変え、演奏方法を変え試行錯誤を繰り返しました。
それでも上手く演奏が出来ずに悩み、現場を降板させられた事もあります。
勿論自分の力不足もあると思いますが100%の力を発揮出来る事が絶対に無くなるのは演奏家にとって苦しいものです。
当時は原因が分からず「病気だから」とも言えませんし、言い訳も極力したくないと思っていました。
元々年間150回はライブをしてましたが症状が出る頻度も増えていきます。
この病気は驚くほど進行が早いのです。
肉体的にも精神的にも摩耗して一時は入院しかけたこともありました。
ですが僕はドラム、音楽が好きで一度も諦めませんでしたし演奏中は笑顔を絶やさないように努めました。
いつしか笑顔が素敵なドラマー、楽しそうに叩く人はたくさんいるがここまで爆笑して叩く人は見たことが無いとまで言われたこともあります。
プロとしてお客さんには伝わらないように。
勿論ライブが楽しいという事実はあったと思いましたが今思えば笑顔でいることで振り切ろうとしていたのかもしれません。
本音は演奏中に曲をストップしてステージから立ち去りたい。この場から消えたいと思って演奏したライブも数えきれないくらいあります。
これ以上迷惑をかけられない、落ちていく自分を見たくない・・・。
いつしかそう思うようになり少しずつライブをお断りし始めました。
原因もわかりませんし、断るのが元々苦手なので申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
「最近化粧乗りが悪くなってきたからライブはちょっと(笑)」
「ライブばかりで帰りが遅い!って嫁がカンカンで・・・(笑)」
とか冗談っぽく角が立たないように明るくお断りするのが精一杯でしたね。
注)バリバリの独身です(笑)
そんな状態から数年、長年原因不明でしたが2016年に病気の存在を知り専門医を訪ね治療に通い始めました。(専門医に関しては許可はとっていないのでここでは触れません)
強い意志を持ち続けた事、諦めないこと、また専門医と理解ある家族、仲間、友人に支えらえて症状は改善されました。
契約している楽器メーカーによるサポートにも助けられました。
今サポート等で参加させてもらっているアーティストさん達は症状、現状を既に話してあってそれでも尚「哲郎君で」と声を掛けてくれている方々です。
こんな状態でも頼ってくれる人達がいるのだから録音を頼まれた時に安心して叩ける環境、時間を気にせず試行錯誤出来るスペースを確保する為に2年前にプライベートスタジオも建設しました。
建設の背景には病気も一役買っていたのです。
今は自分の活動は勿論、外部のクライアントの案件も自宅スタジオで行っています。
生活も大事だけどクオリティーが下がるくらいなら・・・
この先どうするか考え始めた矢先に好きで請け負っていたレッスンがクチコミで何故か急増して今は生徒さんの数も100名近いです。
レッスンをする事で身体の機能についてもレクチャーするので自分としても勉強しますし発見もありますからタイミングが良かったんでしょうね。
病気についての公表は正直迷いましたが理由が2つあります。
・闘病の成果を収めた最新のドラム映像作品を今日10月10日 ドラムの日に発表したかったからです。ドラマーにとっては光栄な事ですから。
優秀なミュージシャン達、制作チームとの共演で最高の作品になりましたし当時の状態ではとても演奏出来ませんでしたが情熱を持ち続けること、諦めない事で夢はきっと叶います。
この作品が病気を含め、何らかの事情で夢を諦めかけている人、立ち止まろうとしている全ての人達に少しでも勇気と希望を与えられることを願い自身の病を公表しました。
一人のドラマーに出来る事は少ないですが自身の音楽が誰かの為になるのならこれ程嬉しいことは無いです。
・2つ目は元々症状をひた隠しにしていた訳ではなく一部の親しい人には症状の事を伝えていたのでそこから噂が広がったのか「ジストニアについて話を聞きたい」と何人かに相談を受けたことがあります。
僕は医者では無いので症状自体を治す事は出来ませんが精神的な部分での軽減は症状改善にかなり役に立ちます。
こういう演奏の仕方や改善方法がある等を伝えたり話を聞いたり一緒にスタジオに入る事は出来ますし実際に行ってきました。
同じ病にかかったことがある人にしか絶対にわからない苦悩を僕なら理解してあげられるので公開する事で同じ悩みを抱えている人たちの為になりたいと思いました。
少し長くなりましたがここ数年はこのような状態でした。
これを踏まえた上で次の記事に掲載する新作を見てください。
2年ぶりの最新作でここ数か月これに費やしてきました。
誰かの真似ではなく僕にしか出来ないことをしていきたいです。
楽器を演奏する人、しない人に関わらず見てくれた人の心の琴線に触れる事が出来たら幸いです。
哲郎
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