映画「妻の病」上映会 | 北九州在宅医療・介護塾

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介護家族と医療や介護に携わる専門職腫を参加の対象にした研修会を年に4回開催しています。医療・介護の現場で生じる様々な問題、悩みや思いについて解決の一助になればと思っています。

福岡県歯科保険医協会主催、映画「妻の病」県民公開上映会が、11月8日(日曜)、13時半から、TKPガーデンシティ博多5階「阿蘇」で、参加人数143名によって開催致しました。また、この上映会開催にあたっては福岡市、福岡県保険医協会、福岡市歯科医師会、認知症の人と家族の会 福岡県支部、老いを支える北九州家族の会、そして九州医事新報の他、全17関係団体や機関から後援を戴いています。
 この映画は、高知県南国市で小児ガンと地域医療に従事している小児科医師と、レビー小体型認知症の妻弥生さんのご夫妻が主人公ですが、妻弥生さんのレビー小体型認知症の発症から10年間をドキメンタリーで構成されており、私自身としては、認知症に対して早期に正しい診断と適切な治療を受けることの重要性について気づかせられたことと、家族が認知症になったとき、どのように受け入れれば良いのか、どのようなことが大切なのか等について問いかけてきた貴重な映画として受け止めており、お二人が寄り添って、再び、“普通に”生きていく姿は本当に素晴らしく思え、感銘を受けました。
今回の上映会に参加された方々の中より2名の方より、ご鑑賞に対して感想を伺っていますのでご紹介させて戴きます。

〇認知症の人と家族の会 福岡県支部 下村順子様:
  波の音と、アコーディオン、タンゴが良かった。
レビー小体認知症をちゃんと診断される先生は、余りいないと思っています。家族も本人もですけど、レビー小体認知症についてしっかりと知っておかねばならないと思っています。3年間の統合失調症の治療をされたこの方も、無駄な期間となり、勿体なかったと思っています。ここに居られる皆さん方は、是非レビー小体型認知症についての知識と勉強をして欲しいと思いました。凄い夫婦関係で、介護している(ご主人の)姿は良かったし、弥生さんの笑い声等が明るく振る舞っている姿も良かったと思いました。

〇グループホーム・デイサービス ぶどうの樹 施設長 城戸由香里様:
  先ず、福岡県歯科保険医協会の皆さまが、こんな素晴らしい映画を見るチャンスを与えて戴いたけたことに対して、今日凄く感謝しています。心が本当に動かされました。
  15年間、私は認知症ケアに携わってきていますが、家族があの波のように、気持ちが行ったり来たり、頑張ろう、あ~~これはもう無理、あ~~自分だけで精一杯、いや今のことも考えないといけない、本当に波が象徴しているような思いで見させて戴きました。
  そして、ドンドン妻が出来ないことが増えていくなかで、さっきから私の心の中に残っているのは、ご主人と幸せそうに一緒に腹の底から笑っている姿は、進行してもちゃんとやってらっしゃる、それが、何か「生きるって何だろう」って思いました。出来ないことが増えていっても、やっぱり一緒に笑ったり感動したりする時間というのは、随分長く続けていけるのではないかという希望が私自身持てました。
そして、最後に「妻の病」についてのタイトルについてですが、「病の妻」でなく「妻の病」、これが何か私達に、生き方とか、希望とか、如何に介護していけば良いのかとか、このことについて考えさせるための題材を下さっているのではと感じました。
ありがとうございました。