地域差はありますが、今年の夏はほぼ全国的に「猛暑」と「大雨」に悩まされたシーズンといえるでしょう。

特に大雨については、ここに来て毎週のように、台風が襲来。
現在日本各地に被害を及ぼしている台風10号も、当初の予報では、今頃とっくに日本から遠ざかっているはずでしたが、ほとんど停滞、迷走しているような状況です。

昔はなかったけど、最近行なわれるようになった鉄道関連対策の中に「計画運休」というのがあります。
気象情報などを参考に、甚大な自然災害が予測される場合など、あらかじめ運休する日時や路線などを決めておくというものですが、こと台風10号に関していえば、当初計画運休が予定されていたJR東日本の新幹線では事実上実施されず、その半面、東海道新幹線は連日のように運転見合わせが続いていて。
せっかく旅行の予定を立てても、変更しなければならず、やりきれない思いが募るばかりです。

もちろん昔も、自然災害による列車の運休などは多々あり、かくいう私も最初の乗りつぶし旅行地の北海道にて豪雨に見舞われ、駅寝をしたり、数日間列車が動かなかったり。
また山陰本線の一部区間で数ヶ月間運休があったときは、目的地を四国に変更したり。
昭和50年代に名松線が1年ほど運休になったときは気をもんだものでしたが、結果的にはほぼすべてが復旧し、計画どおりに完乗を達成することができました。
運休が年単位で続いたり、果てはそのまま廃線になったりと、現在のほうが鉄道存続のリスクがかなり高くなっているような気がしてなりません。

一方で、昔よりもかなり改善された点として、「冷房の普及」があげられます。
地方のローカル線はもとより、意外だったのは、大都市でも冷房を備えている電車というのは、昭和時代はそんなに多くありませんでした。
特に地下鉄は車両だけでなく、駅構内も蒸し風呂状態。
真夏に地下鉄に乗らなきゃいけないときなど、考えるだけで憂鬱な気分になったものです。
今思うと、隔世の感がありますね。

それでも。
冷房がいくら効いていても、電車に乗ると以前よりも暑さを感じるようになったのは、なぜなんでしょう?
まあ、通常の出勤状態に戻りつつあるということで、人流の活発化も影響しているのかもしれませんが、やはり、単純に気温が上がっているからかな。
ともかく、32~33度くらいで「けっこう涼しいじゃん」と思ったりするのは、異常といわざるを得ません。

乗りつぶしに興じていた大学生の頃、西日本の暑さに慣れておらず、当地で非冷房車に乗るたびにがっかりしたのも、今はよい思い出。
今、乗りつぶしをしようにも、乗らなきゃならない路線の絶対数は減っているといえ、先に書いたように、いつ何どき「鉄道がなくなる」事態に陥るか、予断を許さない状態。
台風や大雨だけではなく、大雪、地震、さらには厳しい経済事情など。
たとえ第三セクター化やBRT、バス転換がかなっても、その先には明るい未来が待っているとは限りません。

ああ、つい悲観的になってしまいますね。
でもこれからも、海外も含め無理のない範囲で、鉄道旅行を楽しみたいと思っています。