現役のシャーマンが書き下ろした、非常にやさしい表現のわかりやすい本。

浄化、特に浄霊やお祓いというと、エクソシストがやるオカルト的な演技がかったものを想像しがちだが、この本は、単に悪霊を払うハウツー本ではなく、この大宇宙の中で人間はどの位置に存在し、霊はどの位置に存在し、その関わり合いの中で、いかに宇宙から良い気を得て健康に楽しく暮らせるか?ということを主題に書かれていて、浄化というものを最大限に定義して、日常でできるありとあらゆる方法を紹介している。

 

その8~9割は誰もが抵抗なくできる方法で、もっと難しいものを期待していた人は肩透かしを喰らうかもしれない。ただ、それを何も知らずにやりなさいと言ってやるのと、宇宙や人間、霊の仕組みを知ってやるのとでは大きく違う。

 

また最近は少なくなりつつあるが、西洋医学一辺倒の人や、霊というものを一切信じない人、死後の世界は無いと思っている人には抵抗があるかもしれない。ただ誰にも理解不能な事件や事故、理不尽な病、誰が住んでも不幸になる場所は実際に存在しており、力のある霊能力者にお祓いをしてもらったら良くなったという事例があるので、多くの人は霊能力者による浄化を期待するのだろう。

 

この本には、その対症療法的なことを書いた箇所もあるが、多くは、悪霊に取り憑かれず健康に毎日を送るための日々の過ごしかた、浄化のしかたについて紙面が割かれている。病気と同じで対症療法よりも日々の予防や健康ということが大切だということがわかる。

 

書かれていることは、古来より言われてきたことや、当たり前と言われれば当たり前のことが多いが、現代人はそれができていないという事実にも突き付けられる。現代科学の知見との対照もあったり、他の宇宙存在やスピリチュアルで言われていることとも本質は同じで、非常に普遍的かつ信頼に足る書だと言える。

 

最後に、過去の自分に現在の自分がカウンセリングをすることを瞑想浄化といって、過去に起きた事象は変えられないが、感想・感情は変えられるというくだりや、遠隔で謝りたい人物に謝罪して現在の問題を解決するくだり、未来は今の思考によって創られていて、人々の意識が変われば世の中全てが変わるといったくだりは、読んでいて胸が熱くなった。

 

浄化とは、悪い出来事や物だけでなく、自分、自分の知っている人、動物、植物、鉱物、人工物ひいては地球、大宇宙が対象で、日々良い想念で浄化することだということがとても大切だということがよくわかった。