JGTOの新しいシード権制度に多くの疑問と質問が殺到した? | ジュニアゴルフ アジアジュニアゴルフ協会 吉岡徹治オフィシャルブログ Powered by Ameba

JGTOの新しいシード権制度に多くの疑問と質問が殺到した?

アメーバ『シード、第2シード、準シードって何?』

 「大家早安!我来到台湾」
 
 台湾を経由してタイに移動中です。今日は台北のカフェから国内のトーナメン
 トの気になる話題をアップします。

 一昨日で日本の来シーズンの優先出場権を決めるQT(クウォリファイトーナメ
 ント)が終了しました。

 今回から規定が変わり上位35名に絞って優先出場枠が与えられるとのことでし
 たが試合後のガイダンスでは喧々諤々の議論となったようです。



 まず、今年大きく変わったのは記事にもあるように「シード選手」と「第2シード
 選手」に別れたことです。

てんとうむし詳細→シード権変更 試合数減と日程が招く負のスパイラル

 賞金ランキング上位60人が年間を通じて出場できる「シード選手」文字通り1年間
 を通じて全試合に出場できる権利を有する選手です。
 
 「第2シード選手」は、賞金ランキング61位から75位までの15人の選手。昨年
 までの70人の「シード選手」が多すぎたとしてそれを60人に減らす代わりに今回
 「シード」を外れたこの15人の選手に救済を与えました。

 この「第2シード選手」に今年シードがなくてQT(クウォリファイトーナメント)
 から上がって来た上位35人の選手(これを便宜上「QT選手」と呼びます。)を加
 えた選手たちの獲得賞金による入れ替え順位(「リランキング」と呼ばれる)の結果
 で「リランキング」上位の選手にも後半の出場権が与えられます。

 だいたい7月、9月と「リランキング」が適用されて優先出場順位は入れ替わります。

 でも、春先は130人近く出場枠のあった試合も実際に秋以降になると日も短くな
 り1試合あたりの出場選手枠は100人、90人と減ってきますので、前半戦のリ
 ランキングの上位選手でも出られる選手は限られています。秋以降に「第2シード
 選手」と「QT選手」たちの枠は10人~20人枠があるかどうかですね。

 現在のシード権システムは「シード選手」にかなり有利になっているのは否めませ
 ん。事実毎年QTから新しくシード権を確保する選手は10人といないのが現状でし
 た。



アメーバ『準シードを作ったことがさらに波紋を投げかけてる?』
 
 ここに今年新設された「準シード選手」という枠ができて現場の選手達からは疑問や
 質問、さらには制度に対する不満が一気に溢れてきたようです。

てんとうむし詳細→QTの優先順位が2分化!今年から実施されるプレーオフとは

 この「準シード選手」は、さらにトーナメントの賞金ランキングの75位~100
 位の選手に「QT選手」に次ぐ優先出場権を与えましょうという新たな救済策です。
 
※「QT選手」が23番目、「準シード選手」が24番目、さらに「QT36位~90位
 の選手(これを便宜上「準QT選手」と呼びます。)」が25番目の優先出場順位と
 なります。ちなみに「準QT選手」は55人です。

 ということは、「準QT選手」は、実際「シード選手」60人+「第2シード選手
 (15人)+QT選手(35人)+準シード選手(25人)」を加えるてトータル
 135人となりさらに出場順位はその下の136人目以降ということになります。

※昨年まではシード選手70人+QTの順位36人目でしたから106番目以降でし
 た。制度が変わってQT上位の選手の出場枠が大きく下がったことに不満が溢れま
 した。
 
「これに永久シード選手や招待選手、主催者推薦選手などを加えると?QT36位以降
 の選手(準QT選手)にどれだけ出場枠が回ってくるのか?」

「ファーストから、ファイナルQTまで何ヶ月も必死にやってきてこの出場順位ではQT
 やること自体に意味があるのか?」

「シード落ちした60位以降の選手(第2シードおよび準シード選手)も、同じ条件で
 QTを受けさせたらたらいい!」

 と喧々諤々の議論の場となったようです。

 特に「準シード選手」が「QT選手」に優先して入ってくることはちょっと疑問です
 ね。ガイダンスの場で出た「シード落ちした60位以降は、QTを同じ条件で受けた
 らいい」と言う意見は一理あると思います。

 さらに、QTのファイナルまで進んだけれども決勝ラウンドの90人に残れなかった
 選手たちの扱いに関しても疑問があるようです。

てんとうむし詳細→2014JGTOファイナルクォリファイングトーナメント4日目結果

Photo:Golf Chanelr


アメーバ『ファイナルQTまで行ってもチャレンジツアーすら出られない?』

 「第2シード選手」と「準シード選手」に枠を与えた関係でファイナルQTまで進んだ
 ものの決勝に残れず”ファイナルの予選落ち”をした91位~188位の選手たちが
 「チャレンジツアーにすらろくに出られないのではないか?」と言う状況になったと
 いうのです。
 
 レギューラーツアーがない週には「第2シード選手(15人)」や「QT選手(35人)」
 、「準シード選手(25人)」がチャレンジツアーに出場したいでしょうから、それに
 QT36位以下の「準QT選手(55人)」を加えたらすでに120人です。

 昨年まではQT90位以下の選手たちでも全員チャレンジツアーの出場資格があり
 ましたから「これでは今年はファイナルに残った意味がない?」ということで不満
 となったようです。

 また、賞金の配分にも疑問があるようで、チャレンジツアーの最終ホールでバーディ
 ーを取ってガッツポーズしたら後ろの順位の選手と賞金が50円しか違わなかった
 ?と笑うに笑えない話も・・・賞金の総額も重要ですが、最後まで選手がやる気に
 なる賞金配分?も大切のようです。

てんとうむし詳細→国内男子ツアーの新出場資格・全文(2015年度から適用)

 一方で「QTの一週間で1年間の出場権のすべてを決めていいのか?」という考え方も
 あります。

 最近の傾向としてPGAツアーは「QTやQスクールの一週間の結果と一年間ツアーを
 戦ってきた選手とを比較するのは難しい、それならばQスクール上位選手は下部ツ
 アーのシード権のみを与える」としています。

 結果的にPGAのレギュラーツアーシード権は下部ツアーの最終戦の4試合を入れ替
 え戦としてそのランキングで決定することになりました。

 この制度で人気選手でも必ず下部ツアーから出る事が義務となり、これで下部ツア
 ーの人気も盛り上げてスポンサーをより多く確保しようという狙いがあるようです。

てんとうむし詳細→■来年(2014)から秋開催 USPGAツアーは今年から大きく変貌する。

 さて・・・

 日本も様々な救済を考えすぎて?現状にはマッチしていない制度になってきました。
「シード選手」も60人必要かなども考え直す時期です。(女子ツアーは上位50人)

 ツアーの改革や活性化を考えるならば、もっと若い選手や再チャレンジの機会を求
 める選手たちがやる気になれるようなQTや出場選手枠を見直す時期に来ているの
 かも知れません。