タイガーウッズがクラブの進化について語った | ジュニアゴルフ アジアジュニアゴルフ協会 吉岡徹治オフィシャルブログ Powered by Ameba

タイガーウッズがクラブの進化について語った

アメーバ新しい試みはボールを糸巻きからソリッドに変えたことから始まった

 今週は、久しぶりのお休みです。一昨日から丸二日間寝てました。
 食事するとき以外は全部・・・この夏完全燃焼です。笑

 さて、今日から仕事復帰!キャンプ中は時間が取れないのでこういった
 時間を利用して勉強をするようにしています。

 今日は英語の勉強から・・・今シーズンのタイーガーは怪我などのためプレー
 オフシリーズの出場を逃して所属メーカーのPRイベント等で忙しくしているよ
 うです。
 
 そんな中スイングコーチのショーンフオーリー解雇のニュースも入って来ました
 が、試合に出なくても常に話題の中心にいるには流石です。

 そんなタイガーウッズがクラブについて詳しくインタビューを受けているのでご
 紹介!(タイガーがクラブについて深く語るのは珍しいようです。)

てんとうむし詳細→Tiger Woods gives his insight on golf equipment



ーウッズ:さて何から話そうか?

ーGW:ナイキについて話しもらえますか?

ーナイキとはウエアやシューズなどの付き合いから始まったんだ。でも2000年
 にナイキの新しいボールを使う事がさらなる付き合いの始まりだね。当時は別の
 メーカーのクラブと糸巻きボール(the wound-ball )を使っていたんだが、ナ
 イキの新しいボール( solid-construction bal)の感触、特にグリーン周りや風
 の感触が良かったんで使ってみた。その後すぐにメモリアルやUSオープンでもこの
 ボールで勝てたんだ。その後は、みんな他の選手達もソリッドボールに変えていっ
 たんだよ。
 
 ※当時のナイキのボールはブリヂストンのOEMで作っていて実際タイガーが使った
 のはBSの「WF432」と言われていました。私たちも買って使いました。笑


Nike RZN and 20XI Golf Balls - Player Reactions


アメーバ今のクラブは構えると違和感がある。飛び過ぎる・・・

ーGW:次にアイアンについて話を聞かせてください。

ーウッズ:ウェッジに関してはいつもあれこれ手を加えているよ。どこを削るとか
 また削らないとか?でも結局はいろんな芝やバンカー対応出来るようにオールラ
 ウンドなものに落ち着くよ。最終的には自分の技術の問題だからね。

 でもアイアンは、そんなに悩まないね。昔は「マッスルバック」背面がラウンド
 したというモデルを使ったけどあれは芯を外すと距離がばらついて使いにくい。
 そこで私は、「ストレートバック」というモデルに変えてから勝て始めたんだ。
 あれは大きなムーブメントだったね。

以下ニューモデルの宣伝・・・タイガーはボールのディンプル次第で風の中で
 ボールが受ける影響は大きく左右されると考えているようで研究に余念はない
 ようです。ニューモデルはさらに風を切り裂いて飛んでいくとか。ブレードを
 長くして先を重くした結果らしい。使うかどうかこれからテストするようです。



ーGW:次にウッドの話を聞かせてください。タイガー、あなたは100分の数ミリ
 のシェイプの違いが分かる特別な目と耳の感性を持っているようですね?

ーニコラス(ナイキスタッフ)そんな半話は沢山ありますよ。その5ウッドは
 0.07mmフェースが開いていましたね。我々がロボットテストとトラックマ
 ンで作ったクラブはあくまでもサイエンス(科学)です。それをアート(芸術)
 の域まで達するには、タイガーのようなアスリートとの感性が加わってきます。

 彼がスティンガーやグリーン奥のピンにハイドローを打ってそのニュアンスを
 伝えてくれるのです。タイガーの感性があってようやくマスターピースモデルは
 完成するのですよ。それは機械ではなくタイガーにしか出来ない仕事なのです。

ーテイラー(ナイキスタッフ)そうだね。以前我々はこの仕事を始めた頃、いい
 条件の時だけ何千回とロボットテストを繰り返していたんだ。風が出て来たら
「おい、風が出て来たよ!そろそろ帰ろうぜ・・・って」でもタイガーは風の中
 でもその条件に対応してテストを続けられるんだ。素晴らしいアスリートが
 必要なのがその時分かったよ!


TIGER WOODS, RORY McILROY & NIKE GOLF INTRODUCE THE NEW VAPOR IRON


-GW:タイガーあなたはナイキにいて技術的に進歩しましたか?

ーウッズ:そうだね。CGでもいろんな事が理解出来た。たとえばアイアンごとに
 バンスが少しずつ違ってくるとかだね。でも、私は基本的に14~15歳の頃から
 アイアンのロフトは変えていないんだ。グリップもね。私のクラブは今のクラブに
 比べてすべてロフトがウィーク(寝ている)ことになる。
 
 だから今の選手達の使っているクラブを持つと違和感を感じるんだ。彼等はロフト
 45度のPWで150ヤード~155ヤードを打ってくるからね!昨日もマクロイ
 のPWを構えてみて「おー!なんてこった!こりゃ俺の9番だよ!」と話したんだ
 よ。笑

 でも、ナイキのスタッフは、私と同じ時代のクラブを見て来た世代だから話を
 するにも違和感はない。クラブテストの時は、おもりのピンを差し込んだクラブ
 を打ってどんな感覚かや悪いライからのボールの回転の違いなんかをはっきりと
 彼等スタッフに伝える。でまたすぐにソールの形状の違う5種類の7アイアンを持
 っ来て打つなんてこともやっている。

 こういったテスト楽しいよ。でも、テストをする時は、怪我をした時じゃなくて
 調子のいい時にやりたいね。その方がクラブの違いもよくわかるから。だから 
 調子の良くない時は、クラブテストを待ってもらったりもしているんだ。



ーGW:タイガー、あなたは新しいクラブの開発にも関わっていたんですね。

ーウッズ:そう、あの2アイアンもね。でも私は市販品とは違ってオフセットの
 少ないモデルが好きなんだ。だからちょっとネックをひねってストレートにして
 もらっているよ。マキロイが、全英で使ったものもストレートネックだ。
 でもアベレージゴルファーが使うなら少しオフセットのグースネックがベストだ。
 その方がボールも上がりやすいと思うよ。



アメーバパーシモンドライバーで育ったからいまのゴルフがあるんだ。

ーニコラス(ナイキスタッフ)そういえば昔使ったスクエアヘッドのドライバーは 
 タイガーには合わなかった。まっすぐに飛びすぎたんだ。ドッグレッグのホール
 とか、曲がらずに突き抜けていったからね。まっすぐに飛び過ぎるクラブもまた
 タイガーのプレースタイルには合わないんだ。

ーウッズ:私はバラタボールとパーシモンクラブで育った古い世代のゴルファー
 だから、1996年、最初にプレーオフでラブⅢに勝ったとき彼はパーシモンのクラ
 ブを使っていた時代だ。だから、小さい頃からレンジでまっすぐなボールを打とう
 とした事はなかった。いつもどちらかに曲げて飛ばそうとしていたんだ。

 そういった感覚が今でも体に染み付いているからボールを曲げにくいスクエアな
 ドライバーは合わなかったね。風が右から吹いてくればボールをカットに打ちたく
 なるのにまっすぐ飛んでしまうと感覚がおかしくなってしまうんだ。

 そしてメタルドライバーが出て来てからボールを曲げにくくなったのは事実だ。
 さらにソリッドなボールが登場してからはさらにボールは曲がらなくなった。
 今の若い選手達が思いっきりクラブを振り回しているのも見ると時代の違いを
 感じる。バラタボールやパーシモンで育った世代ではないからね。

 もし、彼等がパーシモンドライバーを今のクラブと同じようにフェースのセンター
 で打ったらギア効果でとんでもなくあちこちに飛ばしてしまうことになると思う
 よ。



ーテイラー(ナイキスタッフ)タイガー、あなたがパーシモンで育った事は
 いまのプレーに影響してますか?

ーウッズ:パーシモンドライバーを使っていたジュニア時代には、生前の父にいつも
 こう話していたんだ。
「みんな僕がいつも芯を食って打てる(on the screws)のはなぜ?と聞いてくるんだ。
 でも、芯を食ってフェースの真ん中で打つのはミスヒットだよね。だってクラブの芯
 はフェースの真ん中じゃなくて少し端にあるじゃない?。」
 と話と父は「タイガー!だから私はクラブ真ん中ばかりでで打っていたからミス
 ショットばかりだったんだな。笑」
 私は当時はパーシモンは、芯と芯の間で打つようにしていたんだ。

 パーシモンとバラタボールの組み合わせのギア効果は絶大だった。ヒールやトゥ
 で打ったボールが右や左からフェアウェイセンターまで戻ってくれたからね。
 でももし、パーシモンで今のソリッドボールを打ってもそこまでギア効果は得ら
 れないはずだ。ましてや今のクラブはバルジ角やロール角が昔ほどついていない
 から(フェース面がラウンドしていない)そのまままっすぐ抜けてしまうと思う。

 


 そういえば、かつてニクラウスと話した事がある。彼はパーシモンドライバーの
 ヒール側を大きく削ってボールにカーブが掛かりやすくしていたらしい。トーナ
 メントのサンデーバックナインは、プレッシャーのかかる長い道のりだ。だから
 バックナインはティーグランドの左サイドにティーアップしてフェアウェイの左
 を狙ってボールクラブのヒール寄りで打ってスライスを掛けてボールをフェアウ
 ェイの右サイドに置くように狙って打っていたらしい。距離は3Wくらいに落ち
 るけど確実だ。でも、今それをやろうとしたら?ボールは左の林にまっすぐだ。

 今の選手達がパーシモンクラブを使ったら感性が磨かれると思う。ミスは
 許されないクラブだから・・・特に古いボールだとなおさらだ。

 そうそう、2000年の全英オープンでにセントアンドリュースでプレーして
 いたとき、R&Aの競技委員がガタパチャボールを打ってみないかと渡してくれ
 たんだ。

 ちょうど352ヤードの短い9番を自分のドライバーで打って1オンしたとこ 
 だった。そしてガタパチャボールを打ったら?グリーン前40ヤードのフェア
 ウェイバンカーをやっと超えたくらいだった。

 そのあともアイアンなど何発か打ってみたけどボールのテクノロジーの進化を
 実感したね。

 


アメーバーGW:今後の復帰予定は?

ーGW:今後の復帰予定は?

ーウッズ:今年は背中を痛めて手術もしたので今はボールテストもやっていないよ。
 ボールを打てる「球数制限」もあったしね。でもよくなったらまたテストも再開
 する予定だ。

ーGW:いままでクラブのテクノロジーの進化に合わせてたくさんのクラブをテスト
 して使わなかったものも多かったですね。

ーウッズ:テストそのものは楽しんでいるよ。自分のゲームにプラスになるかもしれ
 ないクラブを試してみることはね。でも、そうでないと思ったら使わない。
 自分はいつも好きなクラブは14本全部だと思ってるんだ。勝つためにはすべて
 のクラブが必要だ。その中に合わないクラブが1本でもあったらだめだ。220
 ヤード打つつもりの4アイアンが240ヤードも飛んでしまったらトラブルだから
 ね。

 これまで、多くのクラブテストやボールテストに関わって来てミクロ単位のディン
 プルまでがボールの飛びや曲がりに影響するkとが分かって、それが自分のゴルフ
 にも大きく役立っている。これからももっと試行錯誤して研究に関わりたいし、
 それが自分の大きな技術向上に役立つと思っているよ。
 
 でもゴルフにはサプライズは必要ないね。もし私がショットを打ってクラブをくる
 っと回して歩き出してそれがナイスショットであればオーケーだ。でもボールが
 その時池に入ったら?それはトラブルなんだよね。

 タイガーのロングインタビューいかがだったでしょうか?ゴルフは打つだけでなく
 道具にも工夫を凝らして欲しいですね。私も今週は、少し休んでまた来週から活動
 を再開します。みなさんも最後のジュニアの夏を楽しんでくださいね!