1996年のタイガーズトリプルのもう一人の主役・・後悔はしてない | ジュニアゴルフ アジアジュニアゴルフ協会 吉岡徹治オフィシャルブログ Powered by Ameba

1996年のタイガーズトリプルのもう一人の主役・・後悔はしてない

1996年のタイガーズトリプルのもう一人の主役・・後悔はしてない

  全米アマチュアゴルフ選手権が開幕しています。

  15年前のこの大会で、タイガーウッズが”タイガーズトリプル”と呼ばれる
  全米アマの3連覇を成し遂げた相手が、スティーブ・スコット氏です。

 「今でも、あの日の試合について聞かれることが多いよ。そのたびに
  思い出しているんだ。」

  でも、彼はあの日負けたことを苦々しく思い出すのではなく、人生の中の
  いい思い出として記憶しているようです。

 「みんな、同じことを聞かれて私が飽き飽きしてるんじゃないかと思って
  いるみたいだけど、そうじゃないよ。あの日以来たくさんのいいことが
  始まったんだから・・・」

  今でも、彼のオフィスには12番ホールで彼がティーショットを打つ様子を
  タイガーが見ている写真が飾られています。

  そこには「Hi Steve,Nice shot. Best wishes, Tiger Woods.」

  とサインがされています。

  そんな彼に最も多く尋ねられる質問が16番ホールでの出来事です。

  あの日スコットは途中タイガーを5アップとリードしていました。

  バックナインに入り、猛然と追い上げるタイガーが残り3ホールで2ダウン
  と粘っての16番ホール。

  先に、長いパットを決めて自分のバックに戻ってちらりと見たタイガーが
  同じラインで動かしたマークを忘れてそのままパットをしようとアドレス
  に入るのが見えました。

  そのとき、スティーブは「マーク元に戻せよ!」と声をかけたのです。

  もし、そのままタイガーがパットをしていたら、誤所からのプレーで
  そのホールスコットの勝ちとなり、マッチも3&2でスコットの勝利と
  なっていたのですが・・・
  
  そのパットを沈めたタイガーは、その後2ホール連続で取ってエキストラの
  プレーオフに持ち込み、タイガーズトリプルを達成したのです。

 「あのとき、タイガーに声をかけて今でも嬉しく思っているよ。そのまま
  声をかけずに勝つのは間違っていると反射的に思ったんだ。」
 
  「たぶん、私の両親が私をそうやって育ててくれたんだと思うよ。」


  次に、多く聞かれる質問は

 「あのときの、ブロンドのキャディーはどうした?」

 「ああ、彼女(クリスティー)とは結婚したよ!、子供が二人いるんだ」

  2005年にプロのツアーを諦めて、今ではクラブプロとして充実した日々の
  生活送っている彼には、あのときのパートナーは今でも欠かせないパートナ
  ーのようです。
  
 「ツアーを諦める決断は、彼にとってもつらいことだったと思うけど、
  家族とのバランスも取れていて彼も楽しそうよ。」
  
  とクリスティーも彼を支えてあげているようです。

  「あのときのマッチプレーの思い出は?」

  と最後に聞かれ・・・

 「緊張感の中でいいゴルフが出来たと思うよ。でも、プレーオフ1ホール目で
  タイガーが290ヤード先のバンカーを超えていくとは思わなかったね。自分
  では超えるなんて考えられなかったから・・・」

 「今でも、そのときのショットのインパクトの音を思い出すよ。それはまさに
  ”ガンショット”だね。それから9バーディー取られたこともね。」

  最後にスコットは笑いながらこんなエピソードを話してくれました。

  あるときこう聞かれたそうです。

 「あんたが、USアマでタイガーに勝った男だろ?」

 「いや、タイガーと当たる前にたくさんのいい選手に勝った男だよ。」

  と応えて笑ったそうです。

  決してプロでは成功したとはいえない人生も、今でも誇りに思って人生を
  楽しんでいるスティーブ。

  ジュニアの皆さんもフェアプレーの精神で、これからもプロを目指して欲しい
  と願っています。

  そして、誰からも尊敬されるプロゴルファーになってください。

  
  てんとうむしNo Regrets


『1996.U.S.Amateur Championship』
 

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