令和第12回 世界の指導国(覇権国)と資質

 

 2026年現在、世界の指導国(覇権国)はアメリカ合衆国、中華人民共和国、ロシア連邦の三大国と言えるでしょう。イギリス、ドイツ、フランス、インドは力不足です。指導国は経済的、軍事的に独立していることが必要です。また、指導国にはなろうとしてなれるものではないのです。世界約195か国の潮流の中から自然に当然のごとく発生する渦のようなものです。

 指導国の要素は国土・領土、人口、経済力、文化そして軍事力です。

 世界第一位のアメリカは移民大国で、上位階層の国民はイギリスやドイツをはじめとするヨーロッパ各国にルーツを持っています。アメリカは建国250年の新興国(?)ですが、ヨーロッパに基盤をおくヨーロッパの代理人みたいなものです。つまり、ヨーロッパの歴史や文化を引き継ぎ、その意志を持っているともいえます。

 中国とロシアは広大な領土と多民族で構成された、歴史のある国です。

 圧倒的な力をもつアメリカですが、その指導力に黄信号が点いています。アメリカの現在の地位は知力による世界の国々からの信頼によるものではないからです。経済力と脅しの軍事力によるものです。

 全人類の平和共存の理念も理想もないアメリカ国民と指導者に世界は委ねられているのです。

 こうした強圧的な勢力に抗する手段は忍耐と服従で受け入れつつ、地道な心の学習鍛錬と社会への熟成を目指すのが最良です。アメリカ国民大衆の民度のアップが必要なのです。抵抗は無駄な犠牲と更なる強圧を生みます。意気がって抵抗するより、冷静な分析と判断が大切です。正義とか自由とか人権、民主主義などとは、一部の人間が押し付けた理屈で、普遍的人間の摂理ではありません。弱者は潔く白旗を揚げるのも良しです。

 しかしながら、現実は違います。アメリカやヨーロッパから対抗国とされた国は、不条理な要求に妥協する選択をする決断はなかなかできません。その国民大衆世論は冷徹な現実を知らずに、感情的に対決を要求するものです。つまり、中国やロシアの国民は強い指導者を願望します。米欧から売られたケンカは買ってやるのです。

 その結果、問題になる場合があります。弱い筈の中国やロシアが意外と強かった時です。身の程知らずに、中ロにケンカを仕掛けたために、米欧が予想せぬ敗北を察した時、誇りと名誉を守るために、一線を越えた軍事行動に出て核戦争を起こす可能性があるのです。結果、勝敗にかかわらず、米欧とその同盟国も悲惨な戦禍を受けることになります。

 現実、ウクライナ国民は、2014年以降マイダン・クーデターによってネオナチ勢力(アゾフ大隊)を引き入れたゼレンスキー大統領とその新政府のロシア系住民への弾圧を知っており、必然的に故国ロシアの反発や軍事的介入を予知していました。戦前、ウクライナ軍の意気は高く政権と国民の戦いの気分は旺盛でした。アメリカ政府やNATOは、ロシア系住民への弾圧虐殺を静観しているプーチン大統領の弱腰と、ソ連解体後、骨抜きにされたロシア軍は弱体化していると見下していました。多くの国民はゼレンスキー大統領と西側のプロパガンダによってロシア軍の敗走を信じて戦争を選択したのです。ウクライナ国民は安易に戦争を選んだ代償は残酷な現実でした。国民も大衆も指導者や国家も愚かすぎます。

 ウクライナ国民だけが愚かではありません。世界が愚かなのです。まあ、地球のホモサピエンスは起源後約30万年、古代文明から約5000年、その程度の動物なのでしょう。人間の脳が進化するにはもっと時間が必要なのでしょう。

                               (2026.10.3)