七人の野獣 血の宣言 | お宝映画・番組私的見聞録

七人の野獣 血の宣言

もう一作、江崎実生監督作品から「七人の野獣 血の宣言」(67年)である。脚本も江崎が担当している。
「七人の野獣」(67年)の続編なのだが、今一つ詳細が不明な部分が多かったりする。「血の宣言」の方はスカパーで放送されたり、YouTubeで公開されたりしているのだが、前作はどちらも未公開のようなのである。そのせいか、当時のポスターには真理アンヌの名前はあるが、実際に出ているのか不明という感じになっていたりするのだ。ここで言う「七人」とは丹波哲郎(木戸)、宍戸錠佐東)、内田良平片山)、岡田真澄辺見)、高品格芹沢)、郷鍈治スケコマシの鉄)、深江章喜金本)のことを言うようだ。高品と郷は兄弟設定だが、実の兄弟か兄弟分なのかははっきりしない。実の兄弟なら似てなさすぎる。彼等が某国所有の別荘にある(らしい)三億円を奪おうとするお話で、他に松原智恵子安部徹、柳瀬志郎、江角英明などが出演している。
で続編の「血の宣言」で、こちらは見たのだが、タイトルから想像されるようなハードなアクション作品ではない。一言でいえば、空回りなコメディ作品とでも言うのだろうか。これが前項「太陽西から昇る」と同じ人の監督作品なのかと思うほど作風が違う。思わず苦笑してしまうような場面の連続なのである。
今回の「七人」は若干の変更がある。丹波、岡田、高品、郷は前作同じ役のようだが、片山役は内田良平から青木義朗に変わっている。青木といえばどうしても「特別機動捜査隊」での三船主任のイメージが強く、ほとんどニコリともしない鬼刑事の印象だ。しかし、本作ではかなりコミカルな男で、自分的には見たことのない青木義朗だ。彼がバナナの叩き売りをしている場面から映画は始まるのだ。新顔が彼等と留置場で出会う小池朝雄太田)である。前回は「七人」の深江章喜も出演しているのだが、今回は別役で悪党側である。それにしても、丹波、青木、高品、小池など後に刑事役として活躍する人が多い。これで六人なのだが、残る一人は出演者にも名前のある宍戸錠のはずだが(クレジット順も二番目)、いつまで経っても出てこない。
実質六人で今回の計画は遂行される。悪玉プロモーターの富田仲次郎大黒)が担う競馬場の売上金(約三億)を強奪しようとするというもの。しかし、結局それを拾ったと称して警察に届けて三千万を手にするのである。しかし、それを大黒の愛人・弓恵子に奪われ、さらにそれを女スリの山本陽子がスリとるのである。いやいや三千万はすれないだろうというツッコミは野暮なのだろう。
他の出演者だが、小高雄二、浜川智子、榎木兵衛、桂小かん、木島一郎、河上喜史朗など。
そして、ラストシーンだが留置場の中、初めて宍戸錠が姿を現す。「六人」に新たな計画を持ちかけているのである。前作とは違う役なのだろう(最後に裏切って倒されているらしい)。これで「七人」ということになるのだろうか。
丹波哲郎に日活作品のイメージがあまりないが、実際に多くはない(10数本だろうか)。新東宝を出て以降は基本的にフリーなのでどこにでも顔を出すのだが、60年代前半は2、3本しかなく「七人の野獣」が6年ぶりくらいの日活出演になるようだ(大雑把に調べただけだが)。