刑事物語 東京の迷路 | お宝映画・番組私的見聞録

刑事物語 東京の迷路

今回は日活の「刑事物語シリーズ」(60~61年)である。全10作で、基本1時間に満たないSPだ。
東映の「警視庁物語シリーズ」(56~64年)を意識していると思われるが、こちらは親子刑事が物語の中心となっている。
主役の佐藤源造刑事益田喜頓、息子の佐藤保郎刑事青山恭二というのが基本だが、変わらないのは二人の名前だけ。というのも源造刑事は所轄のベテランというのは毎回一緒だが、それが城南暑だったり隅田署だったりするのである。保郎刑事も源造と同じ署の時もあれば、本庁所属で源造より偉い部長刑事だったりする時もあるようだ。
益田喜頓と言えば、ひょろっとした爺さんのイメージが強く本作もそういったイメージで見てしまうが、当時まだ50歳であった。36年に川田義雄(晴久)、坊屋三郎、芝利英と「あきれたぼういず」を結成。元々コメディの人なのだが、個人的にはあまりそういうイメージはなかった。坊屋の実弟だが、応招され31歳で戦死。川田は50歳の若さで病死しているが、益田と坊屋は長生きしたイメージがある。
青山恭二は日活で70本を越える作品に出演しており、主演作も多いのだが、早くに引退したこともあり、あまり語られることのない役者である。55年に東宝ニューフェースに合格し、東宝からデビューしたのだが、翌56年に日活に移籍している。「銀座旋風児」や「銀座無頼帖」といった小林旭の主演シリーズに助演で出演することが多く、クレジット順位も3~4番手と高かったのだが、あまり印象に残っていない気がする。
さて、その第1作「刑事物語 東京の迷路」(60年)だが、実はキャストが違う。保郎役は青山ではなく待田京介なのである。城南署の南刑事関口悦郎)が殺され、城南署に捜査本部が置かれる。同僚だった源造はもちろん本庁からは保郎も派遣され捜査にあたる。保郎と南は警察学校の同期だったのである。その容疑者となるのが、ホステスのマリ香月美奈子)やその婚約者である元ヤクザの君塚青山恭二)だった。そう、青山は更生した若者の役で出演しており、クレジット順も青山が3番手で待田が4番手になっている。これは、この1作目だけなのだが、何故かは不明である。真犯人役は浜村純だが(浜村淳ではない)、実は喜頓より年上だったりするのだ(当時53歳)。喜頓同様にひょろっとした爺さんのイメージだが、本作では結構走らされている(吹替かもしれんが)。
第2作は「刑事物語 殺人者を追え」(60年)からは前述のとおり青山恭二佐藤保郎刑事役に定着する。今回は本庁の部長刑事という設定で、源造は三原署の刑事になっている。ゲストは筑波久子、稲垣美穂子、深江章喜、野呂圭介、榎木兵衛、若水ヤエ子など前作よりはお馴染みの顔が多い。ちなみにタイトルは殺人者と書いて「ころし」と読む。
第3作は「刑事物語 灰色の暴走」では、1作目の保郎役だった待田京介が犯人役で登場する。待田上野山功一、武藤章生が深夜の信用金庫に侵入。金庫を開けている間にパトカーが到着し、上野山と武藤は主犯格の弘松三郎の車で逃走するが、待田は乗り遅れ弟分である沢本忠雄のいるガソリンスタンドに逃げ込むという話。お馴染みの名前が並ぶが他にも清川虹子、楠侑子、中川姿子などが出演している。