男たちの旅路 その2
前回に続き「男たちの旅路」である。今回はその第2部(77年)からである。多分リアルタイムで見たはずなのだが、2話などはほぼ記憶になかった。
第1話「廃車置場」から、柴俊夫演じる鮫島壮十郎が登場。鮫島は常識人ではあるが、当初はトラブルメーカーでもあった。「勤務地を選ばせてほしい。でなければ不採用で結構です」と要望してきたのである。鶴田浩二演じる吉岡は逆にそれが気に入り社長らに採用を進言する。しかし、それは他の社員の不満を招いてしまう。
第2話「冬の樹」では、本作の音楽を担当するゴダイゴが登場。と言ってもセリフとかがあるわけではなく警備されるロックグループとして出てくるのだ。出待ちをするファンが殺到し、警備員たちも抑えきれず、女子高生美子(竹井みどり)が脳震盪で倒れてしまう。彼女を家まで送り届ける吉岡だったが、その父親(滝田裕介)に娘が倒れたのは警備会社のせいだと非難される。後日。改めて謝罪に訪れる吉岡だったが、「私が親なら娘さんを叱る。甘やかしているのが悪い」と言い返し、先方の怒りを増幅させる結果となってしまう。会社は体裁のため、吉岡を10日間の停職とするが、美子が彼の許を訪れる。他のゲストは川口敦子、草野大悟など。池部良演じる小田社長の吉岡への信頼は厚く、停職処分も厳正なものではない。
第3話「釧路まで」では、美術展で展示されるクメール王朝の石像に爆破予告が届く。警備会社は開催地である北海道にはフェリーでの輸送を選択し、吉岡、鮫島、杉本(水谷豊)が、警備にあたる。同僚の悦子(桃井かおり)と聖子(五十嵐淳子)は、杉本に誘われ一般客として乗船していた。怪しい人物は見当たらなかったが、爆破予告犯(長塚京三)は聖子を人質にして悦子を脅し、彼女らの部屋に潜んでいた。個人的にこのエピソードから、はっきりと見ていた記憶がある。ちなみに現在は釧路までのフェリーはなく、関東から北海道だと大洗→苫小牧のみだそうだ。犯人役の長塚京三は74年デビューということで、当時はあまり知られていない存在だったと思われる。パリ大学に6年間留学していたという経歴がある。船長役は田崎潤だが、田崎がやると軍艦のように思えてしまう。
続く第3部は約1年後だと思っていたのだが、約9カ月後の77年11月に放送されていた。その第1話が77年度の芸術祭大賞を受賞した「シルバーシート」である。
ゲストではそれほど大物が登場していなかった本作だが、今回の顔ぶれが凄い。志村喬、笠智衆、加藤嘉、藤原釜足、殿山泰司という大ベテラン揃い。殿山は当時62歳だが、他の四人は72~73歳である。鶴田浩二が「まだ若い」などと言われてしまうのだ。彼等は老人ホーム仲間だが、その院長役は佐々木孝丸。設定上は彼等より若いということになりそうだが、佐々木は当時79歳で、19世紀の生まれだ。佐々木の娘婿は千秋実だ。
杉本と悦子が羽田空港の警備にあたっていると、そのロビーにいつも現れるのが志村演じる本木だった。警備員たちは彼を煙たがり避けていたが、ある日本木はその場で急死。後ろめたさを感じた杉本と悦子は本木が暮らしていた老人ホームに弔問に訪れるが、四人の同居人の酒盛りに巻き込まれる。後日、その四人の老人たちは倉庫にある都電の1両を占拠して立てこもるという事件を起こす。
警察に通報する前に吉岡が彼らの説得にあたってみるのだが…。「あなたの20年後ですよ」と言われる吉岡。実際に鶴田浩二としても志村、笠、加藤、藤原は約20歳上なのである。
この回だったか悦子が「体調が悪い」というようなことを言っていたが、これが次々回の伏線となる。他に村上不二夫、草薙幸二郎、金内喜久夫、鶴田忍なども出演している。