拳骨にくちづけ(ゲンコツにくちづけ) | お宝映画・番組私的見聞録

拳骨にくちづけ(ゲンコツにくちづけ)

 

水曜劇場を追って行くと気になる作品があった。「拳骨にくちづけ」(81年)である。主演が大原麗子で、共演が丹波哲郎なのである。
丹波が出演するテレビドラマって、「キイハンター」や「Gメン75」のようなアクションが「三匹の侍」や「鬼平犯科帳」のような時代劇かというイメージを持つ人が大半だろう。実際、その二本柱がほとんどなので、こういったホームドラマはこの時点では珍しいと言えるのである。年齢を重ねていくと、そういったドラマも増えていくのだけれども。
本作に関しても、全く未見であり、存在も初めて知ったくらいなので、丹波の出番がどの程度あるのか不明なのだが、設定的には、多く出番がありそうな気がするのだ。
ヒロイン大原麗子が演じる杉本薫は現代彫刻家である。子供たちに絵画を教える傍ら、鉄を使った彫刻にも励んでいた。薫は、間もなく細川俊之演じる吉川杜夫と結婚する予定であり、結婚前の最後の作品を作るべく荒船鉄工所の一角で製作に取り組んでいた。その鉄工所を営むのが丹波演じる荒船時次郎なのである。彼には3人の息子がおり、柄本明金太)、本間優二鉄平)、北詰友樹鋼介)が演じている。が結婚式の仲人夫妻と初顔合わせする当日、薫の不注意が元で工場で爆発事故を起こしてしまう。結婚を控えていた薫だったが、工場の被害の弁済のため、荒船鉄工所で働くことを志願する。というのがあらすじである。
他のキャストだが、山岡久乃吉川千津:杜夫の母)、橋爪功吉川慎一:杜夫の兄)、笠智衆薫の祖父)、島村佳江八木沢悠子)、原保美荘吉)、萩尾みどりマミ子)、菅井きんイノ)、野際陽子妙子)といった顔ぶれ。あと役名は不明だが、榎木孝明、蜷川有紀、伊藤栄子など。
鉄工所の三兄弟だが柄本は当時33歳に対して、本間は23歳、北詰は22歳。年齢も離れているが、顔も全然似ていない。本間優二は79年に映画「十九歳の地図」で主演デビューしているが、実は76年のドキュメンタリー映画「ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR」に現役暴走族として出演していた。ブラックエンペラーでは名誉総長にまでなったという。宇梶剛士の先輩にあたるわけである。個人的にも本間が主演の「狂った果実」(81年)を浪人生の時だったか映画館で見た記憶がある。確か三本立てだった。いつの間にか見かけなくなったと思ったら、89年で引退したそうである。役者志向でもなかったらしい。
北詰友樹も79年に「メガロマン」の主役としてデビュー。NHK連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」(80年)で注目されるようになった。北詰も94年ころに芸能界から退いている。
細川俊之の兄役が橋爪功で、実際橋爪の方がずっと上に見えるのだが、実は細川が1歳上である。後、丹波と野際陽子の共演というのも「キイハンター」を思い出す。大原麗子は前年(80年)に森進一と再婚している。忘れているかもしれないが最初の相手は渡瀬恒彦だ。
ところで、番組タイトルだが5話より「ゲンコツにくちづけ」と変更になった。やはり漢字で「拳骨」と書いても馴染みが薄く読めない人も多かったのではないだろうか。、