銀座わが町 その2
引き続き「銀座わが町」(73~74年)である。
映像だが、この時代のNHKドラマとしては珍しく全49話のうち、37話、45話、最終49話の3本が現存していたという。また、NHKが推進している番組発掘プロジェクトにより、第1話に関しても制作関係者から映像が提供されたという。
さて本作は最終的には何組かのカップルが生まれる話なのである。以降は正直言ってほぼウィキペディア情報だ。まずは、島田陽子(銀子)と原田大二郎(伸介)のカップル。出演者で島田陽子とバランスが良さげなのは原田くらいしかいない。小倉一郎(恭介)だと何か違う気がするのである。(恐らく)最終話にて、島田と原田の結婚式のシ-ンがある。
その小倉一郎は、竹下景子演じるデパート店員をナンパ男から助けたことがきっかけで知り合いとなる。島田はその兄(原田)と付き合っていたこともあり、竹下とも親しくなる。そして竹下は最終回では島田が開店する菓子店の店員に転職することになる。
江戸春の従業員同士の森光子(三津江)と藤岡琢也(富三)も恋仲となっていく。森光子は海外で挫折して帰国し、照れくさいものだから当初は自分で店を出していた。それを藤岡琢也が見つけるのだ。藤岡は彼女の店の指導・応援に暫く通うことになり、やがて彼女に求婚することになる。
志垣太郎はチンピラと揉めていたところを藤岡に助けられたことをきっかけに江戸春に務めることになる青年の役。実は日本舞踊の家元の跡継ぎで、その家元である父親が自分の憧れていた女性と再婚したことにショックを受け家を出ていたのである。しかし、その父が病に倒れたことで家に戻っていく。
店主同士の中村玉緒(雪)とフランキー堺(王介)も物語中盤から近づいて行く。フランキーが盲腸炎になった際に、たまたま一緒にいた玉緒が献身的に看病したことから恋愛関係になる。フランキーも玉緒が悪徳金融業者に騙されそうになったところに駆けつけ彼女を救ったりするのだ。
そして最終話では、先代主人同士の宇野重吉(春吉)と北林谷栄(松代)もかつて恋愛関係だったことが判明する。若い頃、二人は駆け落ちしようとしたのだが、互いに待ち合わせの場所(団子屋)に来なかったと主張する。その真相は同じ名の二件の団子屋があり、それぞれ別の店に行っていたというものだった。ある意味、しょうもない理由で江戸春とごんざ亭は長い対立に陥っていたわけである。
主要キャストが次々とカップル化していく中、黒柳徹子(八重)と海老名美どり(かおる)には浮いた話がなさそうである。実は本作は峰竜太のドラマデビュー作である。峰と海老名美どりと言えば「おはよう!こどもショー」での共演がきっかけで結婚したというのは有名だが、本作でも共演していたのである。まあ、峰がどんな役で二人に絡みがあるかどうかは不明なのだが。