駆けろ!八百八町 | お宝映画・番組私的見聞録

駆けろ!八百八町

五街道まっしぐら」が75年いっぱいで終了し、その年明けから始まったのが「駆けろ!八百八町」(76年)である。「五街道~」が打ち切りで、急遽の立ち上げということもあったのだろうが、割合オーソドックスともいえる新米見習い同心が活

躍する捕物帳スタイルにシフトチェンジされている。メインレギュラーメンバーは契約の都合もあってか「五街道~」と同じである。
第1話で、北町奉行所の同心二人(小田正作、和田昌也)が日比木という浪人(石橋雅史)に斬られて殉職する。その二人のそれぞれの息子が風早市之進村野武範)と山吹小太郎桜木健一)である。二人は父の意志を継ぎ、北町見習い同心となる。
二人が斬られるのを目撃したのが八百屋の政吉田中邦衛)である。八百屋というのは昼の顔で、夜の顔は錠前破り、つまりは盗人だ。下手人も目撃しているのだが、盗みの後だった為、申し出ることもできない。その政吉の下に「弟子」として転がり込んでいるのがお雪安西マリア)である。役柄のせいか出番は多くないようだ。
今回は江戸に舞台が定着するため、他にもレギュラーは居る。二人の上司となるのが(おそらく与力)の川上甚左衛門小林昭二)で、先輩同心の山村兵馬(汐路章)は川上の前では優しいが、いないとコロッと態度が変わる。もう一人長谷川文助山本清)というのもいるが、2話には登場しないので、それ以降出てくるかは不明だ(3話以降は未見)。そして北町奉行役が平塚八兵衛(役名も同じ)である。本職の役者ではなく、元警視庁の刑事で「帝銀事件」や「吉展ちゃん誘拐殺人事件」で活躍。「三億円事件」の捜査主任を最後に退職した。最終的な階級は警視。ちなみに「三億円事件」は退職の9か月後に時効が成立した。
本編におけるセリフは口の動きと合ってはいるが、おそらく吹き替えである。
他にも風早父の岡っ引きだったのが勘助北村英三)で、小太郎の姉お園堀越陽子)もレギュラーである。
ゲストに目を向けると1話では長門勇が特別出演として登場。2話は遠藤真理子、勝部演之で、3話以降は火野正平、正司歌江、矢吹二朗(千葉治郎)、長谷川明男、北原義郎、青木義朗、テレサ野田など。実は本放送は8話を持って終了。実際は10話まで制作されており、残る2話に関しては再放送で初披露されたらしい。ゆえに、9話「仇討姉妹」と10話「娘が知らない父の過去」については、サブタイ以外のことは不明のようである。誰がゲストなのかも現状ではわからないのだ。
後番組とされるのは、松方弘樹主演の「人形佐七捕物帳」だが、それは4月からの放送で、76年3月の1カ月に関してはぽっかりと空いた形になっている。恐らくドラマとかではなく、特別編成のスペシャル番組等が放送されたのではないだろうか。
近年では(と言っても30年前)、山崎努版の「雲霧仁左衛門」(95年)がオウム事件等の影響で地上波(フジ)では12話までしか放送されず、次の番組も決まっていたため、そのまま終了。残り3話についてはCSで99年に初放送されたということがあった。
でも、この「駆けろ!八百八町」に関しては、打ち切り感が強い気がする。