堺正章の出演映画 その6 | お宝映画・番組私的見聞録

堺正章の出演映画 その6

堺正章のラストである。
71年は主演映画続きであった堺だが、72年の映画出演はなく、73年も以前夏夕介のところで紹介した「としごろ」に出演しただけである。もちろん、映画に出なかったというだけで、歌にドラマにバラエティにと大忙しであった。
そして74年、松竹映画「街の灯」で主役を演じている。これは前年の堺のヒット曲である「街の灯り」に基づいたものであろう。まあ堺のソロでの大ヒット曲といえるのは「さらば恋人」と「街の灯り」くらいではないだろうか。あと、シングルではないが「北風小僧の寒太郎」も有名だろう。この74年に「みんなのうた」で流れたものだ。
よく映画のタイトルを見ると「街の灯」であり、「り」がない。勘違いしている人も多そうだが、タイトルは「まちのあかり」でも「まちのともしび」でもなく「まちのひ」と読むのが正解らしい。
でこの「街の灯」だが共演者が中々豪華なのである。森繫久彌、笠智衆、三木のり平、財津一郎、田中邦衛、フランキー堺という顔ぶれが一同に揃うのはあまりないのではないだろうか。他に研ナオコ、栗田ひろみ、吉田日出子、高沢順子、ガロなどが出演。ちなみにガロは73年に「学生街の喫茶店」「君の誕生日」「ロマンス」と立て続けにヒットを飛ばした3人組のフォークグループだ。最初のヒット曲「学生街の喫茶店」は当初B面であったというのは有名な話。76年に解散している。
ちなみに製作は松竹と田辺エージェンシーで、企画にスパイダース時代のリーダー田辺昭知の名がある。実は堺の映画における主演というのはこれ以降はない。同じ日に公開された「ムツゴロウの結婚記」の主演は「相方」の井上順だが、こちらに田辺の名はないようだ。
この年の映画出演は他に「にっぽん美女物語」がある。主演は研ナオコで、「街の灯」と同じく松竹と田辺エージェンシーの製作となっている。研ナオコと鳥居恵子、早瀬久美、秋谷暢子が姉妹という設定だが、次女の研のみ見るからに異質な存在。役名も鯛子、鮎子、さよりに対して研は「ひらめ」となっている。他の出演者は津坂匡章(秋野太作)、湯原昌幸、三遊亭小円遊、ミヤコ蝶々などだが、堺の役どころは不明である。ストーリーにはあまり関わって来ないようだ。
75年も以前紹介したホリプロの15周年記念映画、和田アキ子主演の「お姐ちゃんお手やわらかに」に中国の殺し屋役で出演しているくらいである。
前述の様にこの時期はバラエティとドラマが中心。「ハッチャキ!!マチャアキ」「マチャアキのシャカリキ大放送!!」「マチャアキのガンバレ9時まで!!」と来て、有名であろう「カックラキン大放送」が75年から始まるのだ。
ドラマでは「時間ですよ」(70~73年)はもちろん、「マチャアキ・幸代のふたりは夫婦」(74年)「マチャアキの森の石松」(75年)といった主演ドラマがある。「ふたりは夫婦」はタイトル通り堺と十朱幸代が夫婦約だが、それ以外のことは不明。ほとんど情報のない番組なのだ。他の出演者は研ナオコ、中山仁、榊原るみ、小池朝雄、なべおさみ、等が出ていたようだ。
「森の石松」も見た記憶はないのだが、演出はマキノ雅弘で、脚本もマキノや小国英雄が担当しており、ちゃんとした時代劇のようである。石松が堺で、次郎長が浜畑賢吉。他に宍戸錠、江波杏子、渡辺篤史、岸部シロー、尾藤イサオ、浜田光夫、森繫久彌などが出演していたようだ。