萩原健一の出演映画 その4 | お宝映画・番組私的見聞録

萩原健一の出演映画 その4

今回も萩原健一である。
75年に入り「傷だらけの天使」が終了する直前に公開されたのが「雨のアムステルダム」である。キャストは72年の「約束」の再来という感じで、主演が萩原で、共演は岸惠子、三國連太郎というトリオが再び揃ったのである。ただし、監督は別だし、制作も「約束」は松竹だったが、「アムステルダム」は東宝である。実際にアムステルダムでオールロケを行ったようだ。他に松橋登、仏人俳優のアラン・キュニーなど。
この年の4月に萩原は最初の結婚をしている。相手はモデルの小泉一十三である。「太陽にほえろ」にゲスト出演したのがきっかけで、同棲生活を送るようになり、子供ができたので結婚に至ったそうである。
「アフリカの光」は、タイトルにあるアフリカに行くわけではない。アフリカを目指す二人の若者の話である。主演は萩原と田中邦衛で、共演が桃井かおり、高橋洋子、藤竜也、峰岸徹、河原崎長一郎、藤原釜足など。監督は「青春の蹉跌」に続いて神代辰巳である。
続けて公開されたのが「鴎よ、きらめく海を見たか めぐり逢い」という長いタイトルの映画だが、こちら関しては主演ではない。主演は田中健、高橋洋子である。制作はATGで、共演者が根岸明美、高岡健二、あがた森魚、下條正己、そして萩原である。萩原の役名は「サングラスと白い杖の男」となっており、特にストーリーには絡まない感じだが、サイトによっては「川村」という名が付いていたりする。
75年の出演映画は以上の三本だが、ドラマでは「前略おふくろ様」がスタートしている。ウィキペディアには、倉本聰の元に依頼が日テレではなく、萩原から直接あったと書かれている。しかし、著書である「ショーケン」では、倉本から萩原の元に「板前の役をやらないか」と持ち掛けられたとなっている。この年、萩原は音楽活動を再開し、初のソロアルバムを出している。その中の一曲が「前略おふくろ様」だったのである。この曲を気に入った倉本が自分の母親とイメージを重ね合わせて「前略おふくろ様」の設定が出来上がったのだという。
正直言うと、自分はこのドラマをあまりまともに見たことはないのだが、だいたいのことは知っている。おふくろ様役は大女優・田中絹代で、共演は桃井かおり、坂口良子、丘みつ子に加え、梅宮辰夫、室田日出男、川谷拓三の東映勢、他に小松政夫、加藤嘉、北林谷栄など。桃井かおりは映画からの続けて共演。大部屋俳優だった川谷拓三も本作で一気に有名となった。テンプターズからの盟友である大口広司も出演している。
一見、萩原演じる三郎のセリフ回しはいかにもアドリブっぽく聞こえるが、倉本はアドリブを一切許さず、全て台本通りだったと語っている。基本やりたい放題だった萩原にしては珍しいといえる。
終了から半年後には第2シリーズ(76~77年)がスタート。基本的にレギュラーは同じだが、八千草薫、木之内みどり、風吹ジュン、岸田今日子、志賀勝、三浦洋一らが加わっている。ゲストには、安藤昇、渡瀬恒彦、大木実、大原麗子、岩城滉一などが登場した。安藤昇や渡瀬恒彦なんかがゲストで出演というのは珍しい気がする。