大瀬康一の出演映画 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

大瀬康一の出演映画 その2

前回に続き、大瀬康一である。61年は「若い仲間」以外にも4本ほど出演している。
「投資令嬢」は、女子大生を主人公とした恋愛ドラマだが、そこにタイトル通り投資などビジネスの話が絡んでくる。主演は叶順子で、その親友が野添ひとみ、宮川和子。彼女らの憧れの大学教授が根上淳。叶が助けられたことをきっかけに恋する青年が大瀬康一だが、彼は野添と見合いをすることになる、というような話。東野英治郎が大瀬の父役で、松村達雄、藤間紫が叶の両親で、渥美清が叶の見合い相手役で登場。クレジットでは6番手の扱いだった。他に丸井太郎と三角八郎の「ピンボケコンビ」などが出演している。
「背広姿の渡り鳥」は、日活の「渡り鳥シリーズ」の影響を受けているであろうアクションドラマである。その「渡り鳥」が大瀬で、クレジットもトップだが、ストーリー的には佐川満男(当時ミツオ)が主役っぽい。80年代以降は、主に役者として活躍している佐川だが、元々は人気歌手である。ちなみに、あの佐川一政は甥にあたる。この後、病気などもあり低迷期もある。伊東ゆかりと71年に結婚するが、75年に離婚している。他の出演者は、三木裕子、村瀬幸子、友田輝、上田吉二郎などである。
「男の銘柄」の主演は筑波久子で、その夫役が大瀬である。お互いに浮気をするが、結局は元鞘に収まるといったような話だ。大瀬の浮気相手が渋沢詩子で、筑波の相手は丹羽又三郎、根上淳、石井竜一など。筑波久子は、第3期日活ニューフェイスで、二谷英明や小林旭が同期である。「肉体派女優」として人気があったが、本人はそれを嫌がり60年限りで日活を去っている。62年からはほぼ東映で活動するので、大映への出演は本作のみのようである。64年に女優を引退し渡米。今は米国の映画プロデューサーとして活躍している。丹羽又三郎と言えば、我々世代には「仮面ライダー」のブラック将軍というイメージ。大映ではほぼ時代劇で活躍していたので、現代劇出演は珍しかったりする。実は丹羽も75年に引退し渡米している。現在は帰国し、高齢だが(89歳)芸能活動を再開しているようだ。
「強くなる男」は、本郷功次郎主演のアクションもの。ヒロインは叶順子で、新東宝からの移籍組である宇津井健、万里昌代が3~4番手扱い。大瀬は本郷の友人といったような役柄でクレジット上は5番手扱いだが、まあ脇役だろう。他に多々良純、中村鴈治郎、若松和子、スリー・ファンキーズ、スリー・グレイセス、村上不二夫、橋本力など。スリーファンキーズは学生のような役での出演らしい。当時のメンバーは恐らく長沢純、高倉一志(藤健次)、高橋元太郎だと思われる。スリー・グレイセスは女工の役らしい。宇津井健にとって本作は大映での2作目で、後に主演もあるが、こういった準主役的な役が多かった。余談だが、大瀬康一と言えば「月光仮面」、宇津井健と言えば「スーパージャイアンツ」で知られるが、本作に出演の村上不二夫は「遊星王子」をテレビで演じ、橋本力は後に「大魔神」(の中の人)を演じることになる。