森次晃嗣の出演映画 その5 | お宝映画・番組私的見聞録

森次晃嗣の出演映画 その5

もう1回だけ、森次晃嗣である。73年以降は森次晃嗣となったので、ブログタイトルも(浩司)の部分を消している。
一つ書き忘れていたが、72年のどのタイミングかは不明だが、松竹所属からフリーになったようである。しかし、73年になってからの出演作は、ほぼ松竹作品であった。
「男じゃないか・闘志満々」は森田健作か沖雅也の項で述べたかもしれないが、この二人が兄弟という役柄で、その父親がフランキー堺だ。ポスター上は、その三人と森昌子が大きく載っているが、彼女は河内桃子の娘という役で、ストーリーの本質にはあまり関わっていないようだ。他に新藤恵美、秋谷陽子、早瀬久美、夏夕介、坂上二郎など森次は山本という役だが、役柄はよくわからなかった。
「としごろ」は夏夕介の項で紹介したと思うが、和田アキ子、森昌子、山口百恵、石川さゆりらホリプロ歌手だけでなく西城秀樹、堺正章なども登場するアイドル映画と思いきやレイプに心中、家庭崩壊といったハードな内容。悲惨な目に遭うのが石川さゆりで、山口百恵は端役である。実質的なヒロインは新人女優の秋谷陽子で前述の「男じゃないか」がデビュー作である。森次はバレー部のコーチで、経済的に苦しい秋谷を自宅に引き取り、学費を工面するなど支援するのだが、彼の妻は実家に帰ってしまう、というような役だ。
「ときめき」は栗田ひろみ、秋谷陽子、海野まさみ、浅田美代子の四人を中心とした青春映画。浅田美代子はデビューしたてで、もちろん映画も初出演だ。栗田、海野、秋谷とは中学時代の同級生で、歌手・浅田美代子として活躍しているという設定だ。つまり役名も浅田美代子だ。桜田淳子も「歌手」の役で出演しているが彼女も映画は初となる。他に沖雅也、小倉一郎、村野武範など。森次は海野の母(河内桃子)と恋愛関係にあるという役。ちなみに河内は当時41歳で、森次は30歳であった。余談だが、本作で共演した小倉一郎と海野まさみはこの年に結婚するのだが、三か月後には離婚している。海野の映画はこれ1作のようだが、翌年ドラマ版の「愛と誠」に出演している。
「必殺仕掛人」は、テレビシリーズ終了後に作られた劇場版である。元締めの半右衛門・山村聰と千蔵・津坂匡章(秋野太作)はテレビ通りなのだが、梅安は緒形拳ではなく田宮二郎、左内は林与一ではなく高橋幸治が演じている。悪役で登場するのは野際陽子、川地民夫、室田日出男、三津田健。川地民夫は「必殺」のテレビシリーズには一度も出演していない。室田は仕掛人第1話の悪役だった。森次は野際、川地、室田が仕置されて、漁夫の利で縄張りを手に入れるが、三津田に殺されてしまうという役だ。
「野良犬」は黒澤映画「野良犬」のリメイク版。三船敏郎、志村喬の刑事コンビは渡哲也、芦田伸介が新たに演じている。森次は新聞記者の役である。