森次晃嗣(浩司)の出演映画 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

森次晃嗣(浩司)の出演映画 その2

引き続き森次晃嗣(浩司)である。
70年の前半は「ヤングアクション プロフェッショナル」や「青春太閤記 今に見ておれ」といったドラマレギュラー出演のせいか、前半に映画出演はない。
7月になって1本目が公開された。森次は松竹と専属契約を交わしているのでこの年は松竹作品のみである。その「風の慕情」は、オーストラリアとマニラでロケを行ったサスペンス・ラブロマンで橋田壽賀子のオリジナル脚本である。主演は吉永小百合と石坂浩二。吉永小百合と言えば日活の看板女優だが、この70年は他社作品にも出演できる契約を交わしており、本作が初の松竹出演となる。香山美子が吉永の姉役で、入川保則が吉永に求婚する男。他に尾崎奈々、渚まゆみなど。渚も大映の女優であったが、この70年から他社にも出始めたようである。森次は吉永に忠告を与える謎の商社マンといった役である。
4度目の映画化となる「姿三四郎」。43年の東宝・黒澤明の監督デビュー作として初映画化(続編あり)、55年の東映版(主演波島進)、65年に再び東宝で(主演加山雄三)、そして今回の松竹版で主演は竹脇無我である。4度目と書いたがそれは「姿三四郎」というタイトルでの話。前回書いたとおり、森次の映画デビュー作「柔旋風 怒涛の対決」も中身は「姿三四郎」なのである。そこでは津崎公平役だった森次だが、今回は同じ四天王でも戸田雄次郎の役だ。矢野正五郎役は高橋幸治、乙美役は尾崎奈々、村井半助役は堀雄二、檜垣源三郎役が高城丈二である。他に加賀邦男、白木マリ、曾我廼家明蝶など。
「波止場女のブルース」は森進一のシングル曲を題材とした歌謡映画で、主演は岡田茉莉子。当時37歳だが、この時点で既に出演映画は130本を超えていた。ポスターを見ると岡田と森進一の姿が大きく載っているので、この二人のラブロマンスかなと思いきや、岡田の相手役は森次なのである。森進一は森次の友人という役柄なのだ。当時、森は24歳で岡田とは年が離れすぎかなとも思うが、森次だって27歳で、10歳の差がありバランスが良いとは言えない。岡田は美人ではあるが、既にベテランの風格のようなものがあった気がする。他の出演者だが、小川ひろみ、西尾三枝子、野々村潔、西村晃などである。
もう1本は年末に公開されたドリフ映画「誰かさんと誰かさんが全員集合」である。以前ドリフ映画として紹介したと思うが、ドリフターズ以外の出演者は岩下志麻、倍賞美津子、内田朝雄、早瀬久美など。付き人だった頃の志村けん(志村康徳名義)やその相方だった井山淳もチョイ役で出演している。森次は村山という役だが、その役柄まではわからなかった。