燃えろ!太陽 | お宝映画・番組私的見聞録

燃えろ!太陽

「でっかい太陽」の続編となるのが「燃えろ!太陽」(67年)である。言われなくても、太陽は燃えているわというツッコミは置いといて、まあ「でっかい太陽」と基本的な設定と出演者は同じだ。ただ「燃えろ!太陽」で検索すると志賀公江の70年代の少女漫画がヒットしたりする。タイトルは全く同じなのだが、内容は全く違う無関係の作品である。
夏木陽介、藤山陽子、東野英治郎、藤木悠、曾我廼家五郎八、三遊亭歌奴といったところは前作と同じ役で登場しているが、ライバルである南高校関係者は今回登場しない。
新キャラもおり野川由美子(芸者〆奴)、砂塚秀夫(辻先生)、そしてストーリー上は主役に近い黒沢年男(立川太平)等である。黒沢演じる立川は大利根北高校「劣等生番付」で一位の不良生徒という設定。今の世の中で、こんなランキングが発表されようものなら大問題になるであろうが、その立川を夏木演じる真介がサッカー部に入れて鍛えなおそうとする。しかもキャプテンに就任させてしまうのだ。
酒井和歌子は前作とは違う並木和子という役で登場。黒沢が憧れる女生徒の役である。黒沢のライバル、つまり恋敵となるのが同じサッカー部の丸山で三遊亭歌二が演じる。前作では三遊亭歌一が丸山信一役で、歌二は加来金太郎役だったのだが、何故か二人の役名が入れ替わっている。正直、二作とも未見なのではっきりしないが、歌二の方が演技うまかったとか、前作では設定としてはあっても、劇中では役名がさして意味がないとかあったのかもしれない。
また小池正史の役名も庄司一郎から庄司三郎に何故か変更されているが、他は前作どおり。三遊亭町奴(〆田)、宮内恵子、美保くるり、遠山智恵子、富永幸子、北島マヤは変更なし。ちなみに〆田という苗字だが、ちゃんと実在する。無論、全国でも20数件のレア苗字だが。にしても本作では野川の役名も〆奴とか、〆の字が好きなんだろうか。
ちなみに小池正史はNHKの「泣くな太陽」(63年)というドラマに出演していた。主役は前作「でっかい太陽」にも出演していた小柳徹だったようだ。「太陽」だらけでややこしい。小池は日活のドキュメンタリー風映画「非行少年」(64年)でも主役グループの一人を演じていた。ちなみに役者活動は続けているようだ。
あと、先生ABCとして中山豊、佐田豊、堤康久という東宝大部屋俳優の名があるが、佐田豊はこのつい4年前つまり63年には黒澤映画「天国と地獄」で、間違えて誘拐される少年の父親というセリフも出番も多い大役を演じていたが、本来は今回のような役柄の人である。