ザ・ガードマン 東京忍者部隊 | お宝映画・番組私的見聞録

ザ・ガードマン 東京忍者部隊

「ザ・ガードマン」の映画版2作目は「ザ・ガードマン 東京忍者部隊」(66年)である。前作の「東京用心棒」から年は跨いだが、約2カ月しか経っていないので、テレビレギュラーからの出演者は前作と同じで、宇津井健(高倉キャップ)、藤巻潤(清水隊員)、倉石功(杉井隊員)、中条静夫(小森隊員)、稲葉義男(吉田班長)である。おそらく前回書いたのと同じ理由で、川津祐介(荒木隊員)と神山繁(榊隊員)は出ていない。なお、前作同様に早川雄三が上司である三原本部長役で出演している。
ちなみに本作の公開日前日に「東京警備指令ザ・ガードマン」第45話が放送され、神山演じる榊が警察から転職しメンバー入りしている。
今回はテレビシリーズでもお馴染みの現金(金塊)輸送が行われる。しかし、やはり番組本編も忙しいのか、本作ではこの映画だけのオリジナルメンバーが登場する。長谷川明男(並川隊員)と小笠原良智(牧隊員)の二人である。長谷川は当時、大映に籍を置いていたが、小笠原は俳優座の人である。共にテレビシリーズにはゲスト出演経験があり、本作の監督である弓削太郎の監督回に小笠原がゲスト出演していたところからの抜擢であろうか。
この二人と藤巻潤演じる清水が今回の輸送を担当し、特殊輸送車の運転席に長谷川と小笠原、その後部の密閉された部屋に藤巻が配置され直接、金塊を守るというスタイル。つまり、三人で輸送を担当しているものの藤巻に関しては別撮りが可能になっているわけである。ゆえに、出番の最も多いガードマンは長谷川と小笠原の二人なのだ。話は逸れるが、この二人と言えば、「必殺必中仕事屋稼業」の13話「いろはで勝負」の回で遊郭の跡目争いをした三人(もう一人は東野英心)の中の二人だったことを思い出した。
他の出演者だが、犯人グループが成田三樹夫、安部徹、戸浦六宏という中々の顔ぶれ。他にも山下洵一郎、松村達雄、穂積隆信、長谷川待子、明星雅子など。前作の待田京介同様に、成田三樹夫の名が1枚目にクレジットされている。タイトルの「忍者部隊」を感じるようなところは、まあないだろう。
「ザ・ガードマン」の映画は、二本のみで終了してしまうが、テレビシリーズは71年末まで続いたのである。