七人の刑事 女を探がせ | お宝映画・番組私的見聞録

七人の刑事 女を探がせ

前回の続きだが「七人の刑事」の松竹映画版の第二弾は前作から約三か月後に公開された「七人の刑事 女を探がせ」(63年)である。
七人のキャストはもちろんテレビ版と同じ堀雄二、芦田伸介、菅原謙二、佐藤英夫、城所英夫、美川洋一郎、天田俊明である。
今回は感化院で火事があり、四人の非行少女が脱走したのだが、その中の一人が絞殺死体で発見されるところから話は始まる。その非行少女たちの顔ぶれが中々なのである。脱走組が香山美子、青山ミチ、中村晃子そして脱走者ではないが(後に逃走)被害者と同部屋だった十朱幸代というメンバー。十朱は城所演じる中島刑事のことは振り回すが、菅原演じる杉山刑事には従順といった役柄。杉山刑事は女の子にモテるという設定である。
当時、十朱は21歳、中村は18歳、香山は19歳だが、青山は14歳であった。この中では後に「銭形平次」の女房となる香山の非行少女というのが想像しづらい。まあ子役出身で、松竹入社まもない頃である。中村もまだ無名というか(新人)と付いていた。青山は13歳で歌手デビューしたが、身長も高く中学生には見えなかった。米兵と日本人母とのハーフだが、父親については不明だ。黒人とのハーフっぽくも見えるのだが、白人であると断言している説がある。
他にも田村高廣、高千穂ひづる、加藤嘉、浅茅しのぶといった顔ぶれ。香山の彼氏役で園田明弘(新人)という男が出ているが、他に出演記録はなく詳細不明である。高千穂ひづるの父は「俺がルールブックだ」の名言で知られるプロ野球審判員の二出川延明。「月光仮面」で知られる大瀬康一と64年に結婚した後は、徐々に芸能の仕事は減らしている。
犯人役はこれまで名を挙げた中にいるが、それなりの人がやっているとだけ言っていこう。
前述の非行少女役の女優たちは、軒並み出世したが、歌手である青山ミチは66年に覚せい剤で逮捕。活動再開後の74年には万引きで現行犯逮捕されているが、営業などでそれなりの収入はあったとされる。78年に覚せい剤で再び逮捕され、芸能界からは追放状態となってしまうのである。