ヴィレッジ・シンガーズの映画 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

ヴィレッジ・シンガーズの映画 その2

前回の続きである。ヴィレッジ・シンガーズの主演映画第2弾は「虹の中のレモン」(68年7月)である。前作「想い出の指輪」のA面にあたる曲のタイトルがそのまま映画タイトルになっている。ちなみに、このシングルは両面ともヒットしたようである。
さて「虹の中のレモン」だが、ヴィレッジ・シンガーズの映画となってはいるが、実質的な主役は竹脇無我である。竹脇の役名は前田健太ならぬ前田健、つまりマエケンである。ヒロインは前作同様に尾崎奈々。他の出演者は中山仁、加東大介、美川陽一郎、沢村貞子、牧伸二、トリオ・スカイライン、パープル・シャドウズなどである。トリオ・スカイラインは東八郎、小島三児、原田健二によるお笑いトリオで、東は東MAXこと東貴博の父である。 小島はトリオ解散後、俳優として活躍する。ヴィレッジの役柄はそのまま本人たちである。
主演映画第3弾となるのが「落葉とくちづけ」(69年)である。これもシングルのタイトルそのままである。本作も実質的な主役は藤岡弘と尾崎奈々である。藤岡弘は「仮面ライダー」(71年)で、出てきたようなイメージがあるかもしれないが、デビューは65年で既に松竹映画の青春スターの一人であった。本人は体育会系気質のせいか、松竹作品は自分の体質には合っていなかったようなことを語っている。
ヴィレッジ・シンガーズの役柄はヴィレッジ・シンガーズにそっくりの五人組(笑)で、つまり一般人である。他の出演者は香山美子、早瀬久美、佐藤蛾次郎、山本リンダ、白木みのるなどで、オックスも登場する。そういえば、山本リンダも「仮面ライダー」にレギュラー出演していた時期があったが、藤岡がケガで休演していた時で佐々木剛の2号ライダーが主演の時である。
彼等も他グループ同様に69年からは低迷が始まり、71年に解散の運びとなっている。清水道夫はソロシンガーになり、林ゆたかは俳優に転向する。他の三人はレコードディレクター、CMプロデューサー等で活躍、清水も数年でレコードディレクターに転身した。林の俳優業は順調に見えたが83年には引退し、実業家に転じた。
02年に島谷ひとみが「亜麻色の髪の乙女」をカヴァーしてヒットしたのをきっかけに当時の五人でグループを再結成する。今も不定期でがあるが、活動することがあるようだ。