未DVD化・BD化の東宝クレージー映画 | お宝映画・番組私的見聞録

未DVD化・BD化の東宝クレージー映画

東宝クレージー映画と言われる作品は全部で30作あるらしい。
大雑把に分けると「無責任シリーズ」「日本一シリーズ」「クレージー作戦シリーズ」「時代劇作品」の4つとなり、前の2シリーズはグループというより植木等の主演映画と言える。
「クレージー作戦シリーズ」はタイトルに「クレージー」と入っているのがほとんどだが、「無責任遊侠伝」(64年)は「無責任シリーズ」ではなく、こちらに含まれるらしい。まあ「無責任シリーズ」と言っても「ニッポン無責任時代」「ニッポン無責任野郎」(62年)の初期二作だけなのだが。同様に「花のお江戸の無責任」(64年)も時代劇ということで「無責任シリーズ」ではない。
その「花のお江戸の無責任」の監督は山本嘉次郎である。黒澤明や本多猪四郎の師匠である山本がクレージー映画も撮っていたのは意外な気もする。余談だが、ニューフェイス試験で態度が悪かった三船敏郎の合格を主張したのは有名な話だが、渋谷で靴磨きをしていた黒部進に試験を受けるように勧めたのも山本である。
30作のうち26作はDVD化されており、2005~2008年にかけてBOX形式で発売された。また、2013年から14年にかけて発売されたDVDマガジン「東宝 昭和の爆笑喜劇」にも、その26作が収録され、発売されている。
未収録なのは「日本一のヤクザ男」「日本一のワルノリ男」(70年)「だまされて貰います」「日本一のショック男」(71年)の4本あり、クレージー映画では通算27作目から30作目にあたる。つまり末期の4本である。
クレージーキャッツの人気に陰りが見え、ラストの3本に関してはドリフの加藤茶を準主役に起用し活性化を計っている。71年1月をもって石橋エータローが脱退しており、7人揃ってのクレージー映画は26作目にあたる「クレージーの殴り込み清水港」(70年)が最後となった。(88年の「会社物語」では7人揃って出演している。)クレージー映画を見ていない人にはクレージーキャッツは6人組であるという印象が強いかもしれない。
「だまされて貰います」はタイトルだけだと何の映画かわからないが、石橋を除く6人が顔を揃えた最後の作品となっている。
この4作が今後、DVD化・BD化されるかどうかは不明だが、2015年にCS・日本映画専門チャンネルにて4作とも放送されている。