大都会25時
順番が前後するのだが「ベイシティ刑事」の前番組だったのが「大都会25時」(87年)である。
最近、ここで取り上げた刑事ドラマは個人的にはほとんど見ていなかったものが多く、本作もさほど見たわけではないのだが、記憶には結構残っている。「太陽にほえろ」の小野寺昭(殿下)と山下真司(スニーカー)が再び刑事役で共演することが当時、話題になったのである。
舞台となるのは千草署刑事課で、安達班と仙川班の二班が存在し、両班が競う合いながら一つの事件を解決していくという構成になっている。当初はその対立構造が強調されていたが、次第に両班が合同捜査を行うなどオーソドックスなスタイルにシフトしていったようだ。
主役となる安達班のメンバーは小野寺昭(安達武郎警部補、係長)、山下真司(冨田一平部長刑事)、大和田獏(亀山宏部長刑事)、真梨邑ケイ(片桐小夜子刑事)、塩野谷正幸(清水栄三刑事)、湯江健幸(本間悟刑事)の六人。当時、小野寺は43歳、山下は35歳と「太陽」では若手刑事だった二人もかたや係長かたやリーダー格と年齢も重ねたわけである。この中ではベテラン感のある大和田獏は当時36歳と山下とは1歳違い。真梨邑ケイはジャズ歌手としてのイメージが強いと思うが芸能界でのスタートは女優である。ちなみに、この87年にデビュー当時からのマネージャーと結婚している。塩野谷正幸は役柄上は真梨邑より年下だったが、実際は4つ上の33歳だった。テレビよりも映画や舞台を中心に活動している役者である。湯江はほぼ設定どおりの当時19歳だった。
対する仙川班であるが平田満(仙川登警部補、係長)をリーダーに、菊地太(渡辺部長刑事)、きくち英一(山口刑事)、重松収(輪島刑事)、伊藤克信(鶴田刑事)、古藤芳治(青田刑事)という顔ぶれ。見た目も派手な安達班と違って地味なサラリーマン刑事といった雰囲気の集団である。伊藤克信辺りは安達班でも違和感ないかもしれない。平田は当時33歳とレギュラーでは若手の方なのだが、設定上は小野寺演じる安達とほぼ同世代となっている。OPで紹介されているのは平田、伊藤と重松の三人だけである。
きくちは当時44歳と小野寺よりも年長。特撮ファンにはお馴染みの役者で「帰ってきたウルトラマン」のスーツーアクターとして知られる。「電人ザボーガー」では、中野刑事役で出演する傍ら殺陣師も兼任していた。菊地太は「特捜最前線」には30回ほどゲスト出演している。
この二班をまとめる課長が財津一郎(坂東清五郎警部)で、署長を久富惟晴が演じている。ちなみに11話より「大都会25時・千草警察事件ファイル」に改題されているが、映像上のタイトルは変わっていない。第1話のゲストは沖田浩之と川上麻衣子の「三年B組金八先生」コンビ。直江喜一も16話にゲスト出演している。