ハロー!グッバイ | お宝映画・番組私的見聞録

ハロー!グッバイ

水谷豊と言えば、今は「相棒」の杉下右京警部を20年以上続けているわけだが、初の刑事役は「夜明けの刑事」(75年)の山本刑事役である。その後は「熱中時代・刑事編」などがあったが、刑事役が続くようになったのは「ハロー!グッバイ」(89年)の辺りからであろうか。
「ハロー!グッバイ」というタイトルで思い浮かぶのは柏原よしえの歌だったり、ビートルズの楽曲だったりで、刑事ドラマを思い浮かべる人はあまりいないだろう。タイトル案に苦しんだのだろうか、と勝手に思ったりする。
ドラマの内容だが、銀座署(架空)の刑事課分室を舞台に同期のキャリア警察官3人を中心とした刑事たちの活躍を描くとある。
そのキャリアを演じるのが水谷豊(伊達晋作)、三田村邦彦(安藤泰彦)、賀来千香子(小宮真理子)で、安藤は警部であり課長で、伊達と小宮が警部補である。水谷も37歳となり永遠の若手イメージからこういった多少偉い人の役をやってもいい年齢となってきたと言える。ちなみに三田村は当時36歳だが、賀来は28歳である。まあ、若く見えた水谷と三田村、大人びて見える賀来ということで同じ世代に見えないことはない。
他の刑事課分室メンバーだが、大地康雄(東郷署長)、布施博(真鍋譲)、川崎麻世(風間勉)、五十嵐いづみ(牧村とも子)、石井章雄(田川優)など。大地は81年に起きた「深川通り魔殺人事件」のドラマ化(83年)での犯人役で注目を浴びた。その実際の犯人とよく似た風貌であり、当時だとまだそのイメージが強かったと思うが、本作では署長の役だ。五十嵐は当時21歳で「少女コマンドーIZUMI}(87年)の主演いずみ役で注目されていた。石井章雄はコント赤信号のラサール石井のことで、本作には本名で出演した。他のレギュラーに福崎和宏(屋台のよねちゃん)がいるが、福崎と水谷は「泣くな青春」で同じ不良生徒役として共演している。
本作は日テレの金曜夜8時、つまり「太陽にほえろ」と同枠で「もっとあぶない刑事」の後番組であったが、フィルムではなくVTR撮影で全19話で終了した。まあ打ち切りだったのではないだろうか。
伊達が海外研修という名目で飛ばされたロンドン警視庁から復帰するところから始まるのだが、最終回の問題行動により伊達はニューヨーク市警へ、安藤はモスクワ市警へ、小宮はパリのICPOへとそれぞれ研修、出向となる。意味合いは左遷のはずだが、海外研修って左遷には思えない。番組タイトルはこの辺を意味しているのだろう(無理矢理だが)。