熱中時代・刑事編
今回は堺正章から離れて時代が少し遡るのだが「キッド」(80~81年)と同じ土曜夜9時枠で、放送されていた刑事ドラマが「熱中時代・刑事編」(79年)である。「熱中時代」と言えば、学園ドラマとして有名だが、水谷豊が主演で、出演者も結構被ってはいるが刑事編との繋がりはない。違うタイトルでも良かったと思うが、「熱中時代」人気の肖ろうとしたのかもしれない。本作も以前ここでやった気がするが、そこはスルーしませう。
水谷が演じるのは大門署捜査一係の新米刑事・早野武である。その捜査一係りのメンバーは藤岡琢也(潮田衛太郎)、宍戸錠(菅谷一平)、小松方正(矢頭文司)、細川俊之(前原国彦)、森本レオ(間哲雄)、谷隼人(千馬隆盛)という顔ぶれ。パッと見て誰が係長で誰が部長刑事がわかるだろうか。正解は藤岡琢也が係長で、宍戸錠と森本レオが部長刑事なのである。最年長の小松方正やエリートっぽく見える細川俊之はヒラ刑事ということになる。実年齢では水谷、谷に次いで若い森本が部長刑事というのも意外な気がしたが、彼もエリートっぽく見える。だが、警察にてホントのエリートは警部補からスタートなので、部長刑事な時点で早めに昇進試験に受かった人に過ぎないということになる。ちなみに藤岡演じる潮田の階級が警部補だったと思う。ところでこのメンバーは谷隼人以外は前年である78年の「オレの愛妻物語」のレギュラーメンバーである。主演はやはり水谷でスタッフもほぼ一緒で、放送時間帯つまり「グランド劇場」枠というのも一緒である。
本作の第1話でミッキー・マッケンジーと出会い、8話で結婚してしまうのである。知っている人も多いと思うが、水谷とミッキーは82年にホントに結婚するのである。ミッキーはハリウッドで女優デビューして、どういう経緯かは不明だが本作に出演。他には日本でのドラマや映画出演実績は無いようである。86年に離婚するが、水谷はやはり「事件記者チャボ」(83年)で共演した伊藤蘭と89年に結婚することになる。水谷はミッキーと結婚し半年後には日米での別居状態になっていたといい、すぐに伊藤との熱愛が噂されていた。元々伊藤のファンであり、共演も自らの指名によるものだった。
話が逸れたが他のレギュラーは木内みどり、宇都宮雅代、神保美喜、片桐夕子、竹井みどり、松金よね子、草笛光子、伴淳三郎などである。
水谷自ら歌う主題歌「カリフォルニアコレクション」は大ヒットとなり、「ザ・ベストテン」では4週連続で1位を獲得している。