必殺仕事人 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

必殺仕事人 その2

前回の続きで「必殺仕事人」(79~81年)である。鹿蔵(中村鴈治郎)に代わって、7話から元締となったのがおとわ(山田五十鈴)である。「からくり人」シリーズの山田五十鈴と藤田まことのシリーズ初共演となる。正確には山田は「仕置屋稼業」にゲスト出演しているのだけれども。藤田まことも「山田先生」と呼んでいたようだ。
もちろん武器は基本的には三味線の撥である。これは「からくり人」シリーズと変わらない。印象に残っているエピソードとしては、第12話「三味の音は七つの柩のとむらい唄か」では、秀(三田村邦彦)に加え、せん(菅井きん)やりつ(白木万理)までが石地蔵の甚兵衛(井上博一)一味に捕らえられてしまう。この回結構な人数を仕事人たちで始末した印象がある。石橋蓮司が珍しく悪役ではない役(仕事人)で出演している。
13話「矢で狙う標的は仕事人か」は、山鹿の才蔵(中野誠也)率いる仕事人グループとの仕事人対決。採掘場で主水が才蔵を斬り。左門(伊吹吾郎)は甚八郎(山本清)と対峙する。他の手下たちは崖の上から矢を射ってくるが秀が一人駆けまわり彼らを仕留めていく。才蔵の手下であるお初(三浦真弓)は彼らを裏切っており、恋仲である甚八郎を止めようとするが矢で射抜かれる。お初を殺したのはまだ12~13歳くらいの少女仕事人(福山真由美)であった。隣にいた女仕事人(和田かつら)を秀が仕留めると逃げていく少女をおとわたちもただ見送るしかなかった。
21話「子隠しで昔の恨みを晴らすのか」は、おとわが実の妹(清水郁子)を仕留める話。この件でおとわは「嫌気がさした」と言い残し、江戸を去っていくのである。山田のスケジュールの都合による降板らしいが、「新・仕事人」から登場するおりくはこのおとわとは別人という設定である。これにより22話から28話までは元締が不在となる。
23話「渡る世間は鬼ばかりか」では、半吉(山田隆夫)の彼女であるおデブのおふく(かわいのどか)が同心の服部(川合伸旺)に殺されてしまう。半吉は主水たちに服部殺しを依頼する。彼女のようなコメディリーフキャラがこのような最後を迎えるとは意外であった。そして26話「半吉は女の愛で立ち直れるか」ではその半吉が死んでしまうのである。半吉は幼馴染のお袖(佳那晃子)と再会し、おふくが死んだショックから立ち直りそうになっていたが、お袖はとんでもない悪女であった。彼女が使える薩摩藩で警護役の伊集院伝八(志賀勝)と組んで、御年寄藤波(絵沢朋子)と中臈荻野(北川恵)を死に追いやり、半吉をも殺してしまうのである。半吉が死んでも主水と左門はどこまでもクール。結局は秀が二人に仕事料を払うことになる。左門と秀がコンビで伝八に立ち向かい、主水がお袖を斬り捨てる。半年予定だった番組が延長することになり、山田隆夫は予定通りの降板となった。
27話と28話は主水、左門、秀の三人体制となり、調査から殺しまでを三人で行った。28話では左門が公儀御庭番である才蔵(大下哲矢)と左母次(木村元)と対峙し、二人を斬り捨てるがこれが左門最後の侍姿となったのである。
29話からは新番組であるかのように番組は様変わりする。個人的にはこの28話までが好きだったのだが、世間的にはこの29話以降のパターンが人気を決定付けたようである。