真田三銃士
猿飛佐助を演じた役者って結構いるかもしれないが、前回の高峰圭二も「真田三銃士」(62~63年)で猿飛佐助を演じているのである。制作は「竜巻小天狗」と同じで、宝塚映画と関西テレビである。
真田といえば十勇士であり、番組タイトルで検索をかけても「真田十勇士」関連ばかりであり、真田三銃士については2つ3つしかひっかからないのである。それくらい知られていない番組だともいえる。
10人出すのは面倒だから3人にしてしまおう、というノリだったかどうかは知らないが、前述の少ない情報から三銃士とは猿飛佐助、三好晴海入道、穴山小助のことらしい。彼らに真田の百合姫をからめた四人がメインとなる番組だったようである。
で、佐助役は高峰圭二で、晴海入道は頭師孝雄だったようである。小助役は不明なのだが、テレビドラマデータベースにある出演者一覧から孝雄の弟である頭師満だったのではないかと予想する。当時は頭師四兄弟というのが存在しており、長男を除いて次男の正明、三男の孝雄、四男の満、五男の佳孝が子役をしていたのである。このうち正明は高校卒業、満は中学卒業のタイミングで芸能界を引退。孝雄と佳孝のみ俳優を続けたのである。
末弟の佳孝は黒澤映画「赤ひげ」や「どですかでん」に出演し、天才子役と言われていた。特に後者は主役だったりするので輝かしい実績を誇っているのだが、それ以降は「飛び出せ青春」(72年)での穂積ペペとのコンビでの生徒役が目立っていたくらいである。孝雄の方はずっと地味にバイブレイヤーとして役者を続けていたイメージ。佳孝はひょろっとした雰囲気だが、孝雄は四角い顔にメガネのイメージが強く見た感じでは似ていない。
話がそれたが、孝雄は高峰と同じ46年生まれ。佳孝は9歳下の55年生まれなので、満はその間ということになるが50年生まれくらいになるのだろうか。出演作も少なく情報も少ないので何ともいえない。
真田の姫さま役は宝塚歌劇団の安芸ひろみ。59年入学の47期生ということで、一番若く想定したとしても18歳以上ではあったと思われる。宝塚では男役ということで、本作でも男装して敵と戦ったこともあったとか。彼女が主役扱いなのか高峰圭二が主役扱いなのか微妙だが、「竜巻小天狗」で主役だった高峰が主役なのではないかと思う。
他の出演者だが、天王寺虎之助、茅島成美、土田早苗、海老江寛、万代峯子など。
ところで、この番組70年に東京12チャンネル(現テレビ東京)で再放送されたことがあったという。宝塚映画というところは基本的にはテレビ作品でもフィルムを保管していたという。しかし、東映の一部の番組のように保存しておいても修復不可能レベルにフィルムが劣化してしまうこともある(溶けてしまうらしい)。当時の会社は経営不振で解散し、現在は宝塚映像となっているようだが保管も引き継いだかどうかは不明だ(映画は大丈夫だろうが古いテレビ作品はどうだろうか)。