戦え!マイティジャック その2
前回の続きで「戦え!マイティジャック」(68年)である。本作はフジテレビがキー局となっているのだが、よく考えたら当時地元(北海道)にはフジの系列局はなかったので(72年にUHB開局)、放送されていたかどうかも不明だったりする。NET(テレビ朝日)系列もなかったが(69年にHTB開局)、それらが全く放送されなかったわけではなく、TBS系のHBCと日テレ系のSTVで放送されることもあったようだ。
本放送ではなかったと思うが、1時間の「マイティジャック」は目にした記憶はあるのだが、「戦え!」の方はいつが初見だったのか定かではなかったりする。
それはさておき、1時間の時は二谷英明などギャラの高そうな役者をゲストにも起用していたが、「戦え!」ではそこまで大物な役者は出演していない気がする。しいて言えば、4話に登場の二本柳寛、7話に登場の今井健二くらいか。今井は東映ニューフェイスなので、当時だと「悪魔くん」や「キャプテンウルトラ」など東映の特撮には出演することもあったが、円谷作品は珍しい気がする。
10話には藤村俊二がピエロ役で登場。同じ回には歌手のシリア・ポールも出演。真理アンヌと同じインド人とのハーフであるため、親戚(姉妹)と間違われることも多いという。ちなみに真理のすぐ下の妹はモデルのブラバー・シェスで彼女とシリアが混同されているのかも。もう一人の妹が久万里由香だが、本作18話にゲスト出演している。
22話に登場する世志凡太は当時勢いのあったコメディアン。円谷作品では「怪獣ブースカ」等にも出演しており、2013年発売の「円谷プロSFドラマ大図鑑」ではインタビュー記事も掲載されている。元々「原信夫とシャープ&フラッツ」のベーシストであり、「南廣とザ・サウスメン」のドラマーだった南廣とは親しかったという。円谷の仕事は結構好きであり、アドリブも多くいれていたと語っている。近年、個人的にはこの人を見かけるのは浅香光代の夫(未入籍)としてくらいだった。
ある意味、最大のゲストと言えるのは12~13話の森次浩司(晃嗣)ではないだろうか。「ウルトラセブン」が終了して、すぐの出演だったようだ。役名は弾超七で、セブンを匂わせるものだったが普通に地球人であった。この回の女幹部役は新東宝出身の万里昌代。セブンからは古谷敏や阿知波信介も他の回にゲスト出演している。
最終の25~26話は前後編。ここでラスボスを演じるのは当時27歳の真山知子であった。元々は東映のニューフェイスで千葉真一や太地喜和子が同期。しかし東映での封建的な空気に馴染めず3年程度で退社。東映の女優は短い期間で辞める人が多いようである。劇団青俳に移り、その先輩だった蜷川幸雄と65年に結婚している。本作に関しては口紅をつけるのを凄く嫌がったことが記憶にあるそうだ。
この最終話では、渚健二演じる小川隊員が殉職してしまう。前回も書いたが、渚は「忍者部隊月光」でも殉職しているが、それは懲罰的意味も含まれていたと思われる。ただ本作では江村奈美と交際していたからというわけではないだろうと思う。