噂の刑事トミーとマツ その2
前回の続きである。「噂の刑事トミーとマツ」(79~82)年において最大の変化といえば、課長の交代であろうか。
御崎課長役の林隆三が43話にて降板。これはおそらく「ハングマン」への出演のためだと思われる。その後任となったのが相模管理官の石立鉄男であった。警視正が所轄の課長などをやることはまずないということもあってか警視へ降格させられた上での左遷であった(警視も所轄課長はなさそうだが)。まあトミマツの上司としては、石立の方があっている気はする。
この44話より、OPに若干の変更があった。前回も書いたとおり、成川哲夫(東刑事)、神山卓三(南田刑事)、井上和行(西山刑事)の三人がEDに役者名だけクレジットされていたのが、OPに役名つきでクレジットされるようになった(三人揃ってだが)、そして同様に石井めぐみ(森村万里子婦警)もOPに移行してクレジットされるようになった。彼女の登場は21話からで、それ以前にも森村婦警は登場していたようだが、別の役者(清嶋智子、ナンシー・チェニー)が演じていた、徐々にトミマツとの絡みも多くなりヒロインとなって行き、コンビものがトリオもののようになって行くのだった。
石井めぐみは当時21歳で早稲田大に在籍していた。この番組がテレビドラマデビュー作だが、この森村役ではなく、3話前の18話にゲスト出演したのが最初である。
81年3月の65話にて、番組は一旦終了。サブタイにも「しばしお別れ」とあるので、復活は当初からの予定だったようである。この後、81年内は石立鉄男主演の「秘密のデカちゃん」が放送されている。
そして年が明けた82年1月から「噂の刑事トミーとマツ」の第2シリーズがスタートする。レギュラーメンバーに特に変更はなかったようである。
自分は見たことはないが、片桐警部補役の清水章吾が病気で休んだことがあり、代役を藤木敬士が務めた回が何回かあるという。石立が課長の時だったら、「夜明けの刑事」の上司コンビが復活ということになる。藤木と清水が似ているとは思わないが、近い雰囲気は持っている気がする。
あまり大物ゲストはいなかったようだが、22話のゲストが由利徹と南利明。もと脱線トリオ(もう一人の八波むと志は64年に死去)の二人が揃ってドラマにゲスト出演というのも珍しい気がする。 第2シリーズ11話には植木等が出演している。
第2シリーズは82年いっぱい放送されたが休止なども多く全41話であった。第1シリーズと合わせると全106話となる。CSのTBSチャンネルでは、通番で放送していた。松崎しげるによれば、最初は1クールで終了の予定だったそうだが、4話目にして裏番組の「銭形平次」を視聴率で抜いたのだという。