東京バイパス指令 その2 | お宝映画・番組私的見聞録

東京バイパス指令 その2

前回の続きである。「東京バイパス指令」(68~70年)は、そもそも半年の予定でスタートしたということだが、好評だったのか延長となった。
それに伴ってか、成川哲夫(並木刑事)は移動という形で26話を持って降板となった。代わりに登場したのが永井譲磁(喜多刑事)と29話より登場の柴田侊彦(佐野刑事)である。永井は竜雷太より1歳年長だが、役者としては後輩。「波の会」という演技者集団で一緒に活動していたという。「おはようこどもショー」(65~80年)の初期に体操のおにいさんとして出演していたようだが、彼を見た記憶はない。いや、年齢的にも見ていた可能性はあるが石川進と楠トシエとロバくん(演・愛川欽也)くらいしか覚えていないのだ。本作への出演は竜の後押しがあったと言われる。
柴田侊彦は当時26歳。俳優座花の15期生の一人である。父は潮万太郎、姉は弓恵子、兄は柴田昌宏という俳優一家である。兄の昌宏は「青春とはなんだ」「これが青春だ」「でっかい青春」で生徒役をやっており、夏木や竜とも関係が深いが、侊彦も「青春とはなんだ」や「太陽野郎」等にゲスト出演している。永井も柴田も並行して放送されていた「東京コンバット」にもゲスト出演している。
個人的には、本作に関しては永井や柴田のことが記憶に残っている。二人の肩書は「連絡員」ではなく先輩二人と同じ「潜入捜査官」なので、よりドラマに絡んでいたと思われる。その分、印象に深いのかもしれない。
丸一年52話が放送されたところで、さらに延長となり、その影響で「東京マスコミ研究所」は閉鎖となり宮口精二(椎名警視)も本庁へ戻るという名目で降板となった。トップ屋役で出演していた藤木悠はスナック「POLLO」のマスターへと転職。永井と柴田も登場しなくなる。代わりに登場するのが人気歌手だった西田佐知子(二宮刑事)である。歌手がドラマに出演するのは珍しくはないが、彼女の場合はほとんどドラマ出演がない。出演の経緯は不明だが、アクションドラマというのも当然、初めてだったと思われる。番組終盤は夏木、竜、西田のトリオ体制での活躍だったと思われる。残念ながら、自分は彼女の出演シーンの記憶は全くない。71年に西田佐知子は関口宏と結婚し、仕事をセーブするようになたため、この後のドラマ出演もほとんどない。ただ、「夫婦学校」(71年)、「夫婦日記」(73年)という単発ドラマにいずれも夫婦で出演している。どちらも夫婦の役のようだ。
本作は全65話で終了。最終話には永井と柴田も登場しているようだ。この後番組が、ここでもよく取り上げる東映制作の「ゴールドアイ」(70年)である。