日活俳優録27 杉山俊夫、杉山 元(+赤木圭一郎) | お宝映画・番組私的見聞録

日活俳優録27 杉山俊夫、杉山 元(+赤木圭一郎)

日活の兄弟俳優は、宍戸錠&郷鍈治兄弟だけではない。杉山俊夫と杉山元兄弟というのも存在する。
とは言っても杉山俊夫に関しては詳しいプロフィールがわからない。脇役とはいえ、それなりに活躍していたと思うのだが、「日本映画俳優全集・男優編」にもウィキペディアにも、その項目がなかったりするのである。
ただ、ウィキペディアには杉山元の項目は存在しており、41年生まれと出ている。あまり離れてはいないようなので、俊夫とはせいぜい1~3歳差と思われる。入社の経緯は不明だが、父が撮影技師ということなので、その関係からかもしれないと思ったのだが…。
俊夫のデビュー作と思われるのが「海底から来た女」(59年)である。少なくとも初クレジットはこの作品のようである。2作目となるのが和田浩治のデビュー作でもある「無言の乱斗」(59年)だが、和田はドラムの腕を披露。杉山俊夫は歌手の役で得意としている歌唱を披露し、これが日活俳優バンドである「ヤング&フレッシュ」に繋がっていくのかもしれない。メンバーは和田(ドラム)と杉山兄弟(ギター)に加え、山内賢(ギター)、木下雅弘(ベース)、浜田光夫(タンバリン)で62年に結成されたようだ。
彼らが初めてスクリーンに登場したのが「青春ア・ゴーゴー」(66年)のようだが、ここに杉山俊夫の姿はない。次に登場するのが「涙くんさよなら」(66年)だが、ここでも俊夫はいないので、既にバンドを抜けていたのかもしれない。本作では浜田もいないのだが、これは予定どおりなのか、丁度眼を怪我した時期にあたるので、そのためなのかは不明である。
また杉山俊夫は、あの赤木圭一郎と仲が良かったという。60年頃の芸能記事で赤木はこう語っている。「日活に入って最初に得た友達は杉山俊夫くん。彼はもと山下敬二郎さんと一緒にロカビリアンとして活躍していたことがありました。彼が映画界に新天地を求めて入ってきたのです」というように、杉山と仲が良かったことを明言し、彼の経歴についても語っている。歌やギターがうまくて当然だったのである。
また、下宿に同居していたことも語っている。「杉山君と一緒に都内の下宿を探し、笹塚に手ごろな下宿があったので、二人は隣り合わせの部屋に住むことになりました。やがて今住んでいる国領の山崎撮影所長のお宅に仲良く引っ越したわけです」というように、親密な関係であったことがわかる。
実は上記のことは杉山俊夫も「赤木圭一郎を偲ぶ会」主催のイベントで語っているのである。次回に続く。