松竹俳優録12 泉 京子 | お宝映画・番組私的見聞録

松竹俳優録12 泉 京子

前回、「必殺必中仕事屋稼業」で津川と小坂のゲスト回が今週放送されると書いたが、GWによる特別編成で一週伸びてしまった。確認は怠らないようにしないといけないと思った。
さて松竹は、あまりセクシー系映画のイメージがない会社だが、新東宝に前田通子が登場すると、それに呼応するように泉京子を登場させたのである。
泉京子は37年浅草生まれで、本名は竹中久代という。55年に高校を中退し、松竹演技養成所に入り、同年の卒業と同時に松竹に入社した。デビュー作は「ホガラカさん」(56年)で、野添ひとみの友人役であった。その後は端役が続いたが、「海人舟より 禁男の砂」(57年)に突如ヒロインの海女さん役に抜擢されてから、一気に注目を浴びるようになった。
美貌はもちろんだが、身長は165cmあり、3サイズはウィキペディア情報によれば、上から96-56-100というグラマラスボディだったという。松竹は彼女を「和製シルヴァーナ・マンガーノ」と謳い、等身大のポスターを使い、さらに「濡れた素肌!揺れる乳房!…」などと当時としては刺激的な言葉で宣伝を展開した。
映画は大木実とのコンビで大ヒットし、年1作のペースでシリーズ化され60年まで4作が公開された。これ以外でもその肢体を生かした約が多く「オンボロ人生」(58年)では、役名もそのまま「グラマー」だったりした。
意外なところでは、小津安二郎の「お早よう」(59年)に派手好きの若夫婦(夫役は大泉滉)に出演したりしている。60年以降は本数が減りはじめ、61年には松竹を離れている。
62年にはわずか6本のみの配給で消滅した大宝の「波止場で悪魔が笑うとき」に出演、63年には大蔵映画「海女の怪真珠」に、馴染みの?海女役で出演している。本作ではかつての赤胴鈴之助である梅若正二、大蔵貢の愛人と言われた扇町京子らと共演している。泉京子はこれを最後に一旦映画界を去っている。この直後、松竹で一緒だった一歳下の清川新吾と結婚している。この結婚のために引退したと思われるが、結局この清川のために復帰することになるのである。
とりあえず続く。