東映俳優録6 高田敏江、中原ひとみ
東映というのは男優中心の会社である。製作される映画が時代劇、アクション物、任侠物と男性ターゲットのものばかりで、女優主役の作品はほとんどない。そのためか、東映に長く在籍したスター女優というのは少ない気がする。せいぜい、藤純子、三田佳子、佐久間良子くらいであろうか。
第1期ニューフェイスでいえば、高田敏江などは女優としては長く活動しているが、この「東映俳優録」に載せるにはふさわしくないのである。なぜなら半年足らずで東映を退社しているからだ。デビュー作は「二挺拳銃の竜」(54年)に端役で出演。当時の芸名は高原紀子であった。
この東映在籍中に劇団民藝の水品演劇研究所に入所し初舞台を踏み、そのまま民藝に入団し、東映は退社してしまうのである。つまり、東映は水が合わなかったということなのだろう。民藝といえば日活なので、契約し戦後日活の初期作品に出演するようになる。「花の運河」(56年)では、初のメインヒロインとなり、以後「私は前科者である」「愛ちゃんはお嫁に」(57年)など主演が続いたので、日活女優として認識している人も多いかもしれない。
しかし、日活も石原裕次郎や小林旭の登場で、次第に男性路線が中心となり彼女も脇にまわるようになる。64年に日活は退社し、舞台とテレビが活動の中心となっていく。
個人的には上品な母親の役といったイメージが強い。有名なところでは「三年B組金八先生」での鶴見辰吾の母親役であろうか。ちなみに、80歳を過ぎた現在も現役で活動している。
第1期ニューフェイスの女優では、最も知名度が高いと思われるのが中原ひとみだが、彼女も男優中心の東映では自分に合う映画がないと感じ、55年末契約切れを機に東映を去ろうとしていたのである。出世作と言われる野添ひとみとのひとみコンビで姉妹を演じた「姉妹」(54年)は独立プロ製作の作品であった。
移籍先は高田敏江と同じ日活であり、実際契約も結ばれていたという。しかし、彼女が出演を希望した「姉妹」の続編「こぶしの花の咲くころ」の配給は松竹であり、五社協定(日活は含まれていない)を破って日活専属となれば出演不能となることが予想されたため、日活との契約を破棄し東映残留となったのである。この結果「こぶし花の咲くころ」への出演が叶ったのである。
翌57年には、東映ではたまに存在する社会派の作品「米」に出演し、後に夫となる江原真二郎と出会うのである(60年結婚)。
結局、63年「警視庁物語 全国縦断捜査」まで数多くの東映作品に出演することになる。その後は、テレビ中心の活動となっている。中原ひとみも冒頭の東映育ちのスター女優に加えてもいいかもしれない。
第1期ニューフェイスでいえば、高田敏江などは女優としては長く活動しているが、この「東映俳優録」に載せるにはふさわしくないのである。なぜなら半年足らずで東映を退社しているからだ。デビュー作は「二挺拳銃の竜」(54年)に端役で出演。当時の芸名は高原紀子であった。
この東映在籍中に劇団民藝の水品演劇研究所に入所し初舞台を踏み、そのまま民藝に入団し、東映は退社してしまうのである。つまり、東映は水が合わなかったということなのだろう。民藝といえば日活なので、契約し戦後日活の初期作品に出演するようになる。「花の運河」(56年)では、初のメインヒロインとなり、以後「私は前科者である」「愛ちゃんはお嫁に」(57年)など主演が続いたので、日活女優として認識している人も多いかもしれない。
しかし、日活も石原裕次郎や小林旭の登場で、次第に男性路線が中心となり彼女も脇にまわるようになる。64年に日活は退社し、舞台とテレビが活動の中心となっていく。
個人的には上品な母親の役といったイメージが強い。有名なところでは「三年B組金八先生」での鶴見辰吾の母親役であろうか。ちなみに、80歳を過ぎた現在も現役で活動している。
第1期ニューフェイスの女優では、最も知名度が高いと思われるのが中原ひとみだが、彼女も男優中心の東映では自分に合う映画がないと感じ、55年末契約切れを機に東映を去ろうとしていたのである。出世作と言われる野添ひとみとのひとみコンビで姉妹を演じた「姉妹」(54年)は独立プロ製作の作品であった。
移籍先は高田敏江と同じ日活であり、実際契約も結ばれていたという。しかし、彼女が出演を希望した「姉妹」の続編「こぶしの花の咲くころ」の配給は松竹であり、五社協定(日活は含まれていない)を破って日活専属となれば出演不能となることが予想されたため、日活との契約を破棄し東映残留となったのである。この結果「こぶし花の咲くころ」への出演が叶ったのである。
翌57年には、東映ではたまに存在する社会派の作品「米」に出演し、後に夫となる江原真二郎と出会うのである(60年結婚)。
結局、63年「警視庁物語 全国縦断捜査」まで数多くの東映作品に出演することになる。その後は、テレビ中心の活動となっている。中原ひとみも冒頭の東映育ちのスター女優に加えてもいいかもしれない。