五味龍太郎死去 | お宝映画・番組私的見聞録

五味龍太郎死去

前回、座頭市の話題が出たついでだが、その4作目である「座頭市兇状旅」(63年)が引退作となったのが羅門光三郎である。羅門は戦前には169本もの映画(主に剣戟)に出演したスターであり、東亜キネマ、富国映画、宝塚キネマ、極東映画、甲陽映画、新興キネマなどを渡り歩き「三流映画の帝王」などとも言われている。
戦後まもなく、メチルアルコールを呑んだことが原因で左眼を失明したが、その後も脇役として活動した。隻眼でも活躍した役者といえば三谷昇もそうだし、お馴染みのタモリなどもいる。
「続・悪名」(61年)や前述の「座頭市兇状旅」で共演した勝新太郎によれば、最後は仕出し(エキストラ)の人と一緒くたにされていたが、やはり前に出て芝居をしたがるので邪魔者扱いされていたという。ちなみに、中島らもの「らも」は羅門にちなんだものだという。
その羅門と同時期に剣戟映画で活躍していた役者の中に団徳麿がいるが、その娘婿になったのが五味龍太郎である。その五味だが、この八月に亡くなったそうである(享年80)。
そのスタートは第2期東映ニューフェイスで、高倉健や今井健二が同期だった。デビュー作こそ現代劇の「三つ首塔」(56年)だったが、その後は五味勝之介名義で主に時代劇で活躍した。63年からは大映で五味龍太郎として活躍。東映時代のイメージが薄いのは、やはり大映での活躍が目覚しかったからではないだろうか。もちろん、雷蔵や勝新との共演も数多く、「眠狂四郎シリーズ」「若親分シリーズ」「兵隊やくざシリーズ」「座頭市シリーズ」などに度々顔を出し、悪役としてその存在感を示していた。
「トップ屋捕物帳」(63年)というタイトルの現代劇では、どうやら主役だったようで(五味勝雄名義)、とても見てみたいドラマの1つである。映像が残っているかどうかは不明だが。
大映倒産後もテレビで活躍したが、出ていない時代劇があるのかというくらい見かけた気がする。実際、必殺シリーズなどは全30作中の23作に登場しているし、「水戸黄門」「桃太郎侍」「暴れん坊将軍」といった長期ドラマには何度も顔を出しており、03年ごろまでは出演記録もある。
遺作となったのは、どうやら作家・山田誠二が手がけたOV「吸血ゾンビとくノ一大戦争」(09年)という作品らしいが、その山田の下に五味夫人からはがきが届き、亡くなっていたことがわかったようなので、新聞報道などはされていないのではないだろうか。とにかく合掌である。