夜のグランド劇場 その1 | お宝映画・番組私的見聞録

夜のグランド劇場 その1

前項にも書いたとおり、68~69年にかけて日テレには「夜のグランド劇場」という枠が存在した。ちなみに木曜日の21時30分から22時26分という枠である。
いずれも1クールにみたない10回程度(前項の「不信のとき」は全11回)で完結するドラマの枠であり、主演はいずれも女優であった。それぞれの内容について詳細は不明だが、簡単に紹介していこうと思う。
まず「不信のとき」に続く第2弾は「恋しるからん」(68年
)。テレビドラマデータベースの解説には『数年前、会社の同僚の妻と心中をした夫。保険の外交員をしている女に見合いの話がきた』とある。主演は森光子で、その夫を心中で先立たれた女を演じている(はずである)。本作は例のポスター集には載っておらず、他の出演者は梓英子、堀雄二、黒柳徹子、沢村貞子、土屋嘉男、志村喬などで、脚本は倉本聰である。
続いては「水色の季節」(68年)。ヒロインは森光子から20歳若返って浅丘ルリ子(当時28才)である。まだまだ映画女優のイメージが強いルリ子だが、日活との専属を解消した66年くらいからテレビ出演も増えていた。番宣ポスターにはルリ子がドーンと写っており、まだガリガリに痩せているという感じではない。共演は高橋悦史、細川俊之、竹脇無我といずれも故人となってしまったが、彼女の相手役となりそうな顔ぶれが揃っている。他にも寺尾聡、小畠絹子に加え山形勲、水島道太郎、高峰三枝子といったベテラン勢の名もあり、中々の豪華キャストである。ルリ子の役は女性カメラマンで、番組と同タイトルの主題歌を彼女自身が歌っている。
次作が「一番星」(68年)というドラマだが、内容はそのタイトルからくるイメージとは違って、データベースによれば『弟が大金を落としたために、姉が自分の体を社長に提供することになった』とある。ナニワ金融道的な(ちょっと違うか?)没そうな話である。出演は林美智子、佐藤慶、山田太郎、沢村貞子、沢たまき、緒形拳など。ヒロインの林美智子は現役で活躍している女優だが、本作もその番宣ポスターは載っておらず、個人的には彼女のイメージがほとんどない。
前述の森光子といえば「放浪記」。放浪記といえば、林芙美子だが、林美智子はその放浪記など林芙美子作品を原作としたNHK連続テレビ小説「うず潮」で、そのヒロインつまり林芙美子役(ややこしいな)に抜擢され、世に出た女優である。この「うず潮」はヒロインに無名の新人を起用した最初の作品だそうである。芸名も林芙美子に肖ったものだと思われる。まあ、江口洋介や仲村トオル(本名・中村亨)のように偶然本名が演じるキャラと同じまたは近いというケースもあったりするが。
次回に続く。