ハイウェイの王様/坊っちゃん(66) | お宝映画・番組私的見聞録

ハイウェイの王様/坊っちゃん(66)

また、加賀まりこから辿ってみると、坂本九が主演の作品が二本あった。
1本目は「ハイウェイの王様」(65年)。本作は坂本九が白バイ隊員に扮するが、アクションものというわけではない。その隊長が谷幹一で、当時のポスターにもドンと載っている。同僚隊員役が勝呂誉に菅原文太。松竹時代の文太はこういうポジションの役が多い。それぞれの恋人に葵京子、夏圭子で、ヒロイン役は香山美子となる。彼女は雑誌カメラマンという役どころだが、当時は朝永振一郎博士がノーベル賞を受賞した時期にあり、九は彼女の叔父を朝永博士と勘違いするという時事ネタがある。その雑誌の編集長役が園井啓介。もっぱらテレビで活躍した園井だが、62~65年までは松竹と契約しており、本作にも顔を出している桑野みゆきを相手役に「あの橋の絆で」全4部作に出演している。園井といえば「事件記者」のイメージも強いが、そのキャップ役である永井智雄も香山の師匠カメラマンとして登場する。
他にも、長門勇、神山繁、上田吉二郎らに加え、加賀まりこはそのまま女優という役柄である。原作の阿川弘之や写真家の秋山庄太郎も「応援出演」という形で顔を見せる。本作は九の所属していたマセキプロとの提携作品となっており、所属の九重佑三子や九がかつて在籍していたパラダイスキングらも登場する。
2本目は誰もが知っている夏目漱石の「坊っちゃん」(66年)。もちろん、坂本九が坊っちゃんで、マドンナ役が加賀まりこである。原作では名は明かされない坊っちゃんだが、本作では小川大助となっている。他の主な登場人物は三波伸介(山嵐)、大村崑(うらなり)、藤村有弘(野だいこ)、牟田悌三(赤シャツ)、三木のり平(小使い)、そして校長である狸には作曲家・古賀政男というイメージの湧き易い顔ぶれである。古賀は本編の音楽も担当している。
前述の「ハイウェイの王様」ではヒロインの香山美子は、こちらでは冒頭にちらっと顔を見せ、九重佑三子も同様に登場する。何度か映像化されている中では、なかなかよい配役だと個人的には思うが、マドンナはうらなりの婚約者。加賀と大村崑のカップルって非常にミスマッチなものを感じる。
加賀はある特番で九のことを「もの凄くセリフ覚えの早い人だった」と述べていた。