喜劇役者たち 九八とゲイブル | お宝映画・番組私的見聞録

喜劇役者たち 九八とゲイブル

前項で楳図かずおの名が出たので、漫画家が出演している作品をということで、赤塚不二夫である。顔出しをしている映画は5本ほどあるようだが、その中から「喜劇役者たち 九八と芸振」(78年)である。
売れない芸人の愛川欽也が、面白そうだとコンビを組むことにしたのがタモリ演じる苦楽芸振(クラーク・ゲイブル)であった。それに合わせて愛川も芸利九八(ゲイリー・クーパー)を名乗ることにする。ストリップ劇場でのコンビ芸は大いに受けて、テレビ出演の話も舞い込むのだが…。
タモリはこれが映画初出演。つまりデビューまもなく、メディア露出が増えていった頃である。4カ国語麻雀とか今は懐かしく感じるネタを披露している。で、タモリといえば赤塚不二夫みたいなところもあって、おでん屋役で赤塚も顔を見せている。
ヒロイン役は佐藤オリエで、愛川の恋人役である。あき竹城、園佳也子がストリッパーで、他にも三木のり平、財津一郎、南利明、笑福亭鶴光、湯原昌幸、鈴木ヒロミツ、秋野太作なんかも顔を出す。
原作は井上ひさし。井上は上智大学在学中から浅草フランス座の台本を書いていたこともあり、この辺りの事情には詳しい。ところで、当初のキャスティングは愛川ではなくフランキー堺が予定されていたという。この作品は不入りで、二週間ほどで上映が打ち切られたらしい。愛川とまだカルトな存在だったタモリでは客は呼べなかったということだろうか。
ソフト化はされていないようである。人気がなかったからということもあろうが、タモリ演じる芸振が実は精神病院から脱走した患者だったというオチ?のせいもあるのだろう。70年代までは散々みられたネタだが、今ではすっかり腫れ物である。ソフト化は難しそうだが、映画館などで上映されることは最近でもあるようだ。