六人の女を殺した男 | お宝映画・番組私的見聞録

六人の女を殺した男

もう一つ、フランキー堺が主演の大映作品「六人の女を殺した男」(65年)を取り上げてみたい。
これはフランキー演じる画家に、近づいてくる女性が次々と死んでいくというお話。タイトルどおり六人が死ぬが、全員をフランキーが殺害したというわけではない。
一人目は万里昌代。彼の妻だが、夫婦喧嘩の最中に誤って転倒して打ち所が悪くて死亡。まあ事故死である。
二人目は藤村志保という少々意外に感じるキャスティング。見た目と違い悪女で、慰謝料目当てにフランキーと結婚するが、落下してきたシャンデリアの下敷きになり死亡する。デビュー4年目くらいで、まだまだ可憐なヒロイン役の多かった頃である。本名が静永操で、旧姓は薄(すすき)といい、どちらにしろ芸名っぽい。
三人目は明星雅子。ミョウジョウではなくアケボシと読むらしい。詳しいプロフィールはわからないが、宝塚歌劇団の出身のようだ。主に60年代後半大映で活躍、日活にも数本出演している。フランキーと心中を計るが彼女だけが死亡する。
四人目は春川ますみ。ちょっと太ったおばちゃんのイメージが強いが、かつては浅草ロック座のメリー・ローズという名のダンサーであった。彼女はフランキーが毒殺。初めての殺人である。
五人目は久保菜穂子。新東宝、東映を経て、当時はフリーで大映作品への出演が多い頃であった。彼女は遊園地でフランキーに観覧車から突き落される。
そして、最後が岸田今日子。彼の家政婦で話の最初から登場しており、事の真相を知っていたので、口封じのためガスで殺害された。
まあ、藤村や明星以外はいかにも気が強そうな感じである。
他の出演者は船越英二以外はその他大勢といった感じで、杉田康、村上不二夫、夏木章など。モデルとして登場するヘレン・ヒギンスは58年の新東宝作品「ソ連脱出・女軍医と偽狂人」のヒロインであった。
脚本は「七人の侍」「生きる」などの黒澤映画で知られる小国英雄。かなりのミステリー・マニアであるらしい。日本一脚本料の高い脚本家といわれた時期もあったそうだ。