恋の空中ぶらんこ | お宝映画・番組私的見聞録

恋の空中ぶらんこ

草川祐馬は75年、16才の時「若者時代」でデビューし、結核に倒れるまでに8枚のシングルをリリースしていたが、個人的には一曲も記憶にない。復帰以降は一度も新曲を出すことはなく俳優業に専念している。映画への出演もどうやら、倒れる前に出演した二本だけのようである。
一本は以前ここでも紹介した「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(77年)である。せんだみつおが主人公の両津を演じ、草川はその後輩である中川の役を演じた。ちなみに現在もソフト化されていないようである。
そして、もう一作が「恋の空中ブランコ」(76年)である。タイトルで想像が」つくかもしれないが、サーカス団が舞台のお話である。
出演はサーカス団の団長代理である藤岡弘で、草川はその弟、さらにその妹に浅野ゆう子(当時16才)である。あらすじを見た限りでは、実質的な主役は草川のようである。その草川に恋心を抱くのが林寛子(当時17才)で、その父親がサーカス団のピエロである伴淳三郎である。
他にも草川の恋人役に池上季実子(当時17才)、林の実の父親に大坂志郎で、その娘、つまり林の腹違いの妹にデビューまもない古手川祐子(当時17才)という布陣である。
つまり、当時16、17才の人気アイドル、人気女優がズラリと出演している映画なのである。その中でもヒロインとなるのは浅野、池上を差し置いて林寛子である。みんなほぼ同じ年齢というのは驚きだが、当時一番子供っぽかったのは林寛子であろう。みんな50才を越えたが、そろって現役(あまり見かけない人もいるが)というのは凄いことである。