植木兄弟と田村兄弟 | お宝映画・番組私的見聞録

植木兄弟と田村兄弟

五月に突入し、話題を変えようと思っていたら、CSで「黒田騒動」(56年)をやっていた。以前ここでも取り上げたことはあるのだが、片岡千恵蔵が主演で、その子供たちが勢揃いそている映画なのである。
千恵蔵は長男の植木基晴、長女の植木千恵だけではなく、他にも三人の男児を子に持っているのだ。この作品では一番下の子を除いた四人が出演している(と思われる)。並んでクレジットされており、植木基晴、片岡千恵太郎、植木千恵、植木義晴となっている。義晴は三男ということなので、千恵太郎がおそらく次男(孝臣)だと思われる。何故一人だけ芸名なのかは不明である。男兄弟の仲で一人だけ「晴」の字がつかないし(四男は国晴)。この四人が揃って出演しているのは、おそらく本作だけだと思われる。千恵太郎や義晴は本作以外には1~2本くらいしか出演していないからである。四男の出演記録は見つからなかったので、未デビューだったのかもしれない。
ところで、本作ではこの四人のショットはかなり遠めで撮られていたり、バックショットだったりと、アップはなく顔はほとんど確認できなかった(ざっと見た限りでは)。何でかよくわからないが。
話は変わるが、千恵蔵は9歳の時、片岡仁左衛門(11代)の主催する「片岡少年劇」に入門したのが役者の始まりだったようだが、二歳上の阪東妻三郎も15歳で仁左衛門へ弟子入りしたのがそのスタートで、片岡千久満というのが最初の芸名だったそうだ。
千恵蔵は五人の子を儲けたが、阪妻も実は五人の子を儲けている。田村高廣、田村正和、田村亮の田村三兄弟は有名だろうが、最近は高廣と正和の間に次男の俊麿がいることも知られている。この俊麿は結局実業家になったが、若い頃は他の兄弟と同様に映画に出演していたようである。そして、もう一人はやはり俳優の水上保広。亮の1歳下で彼らの異母弟ということであり、俳優になったのは阪妻の勧めだったという。田村兄弟とは似ていないと思う。