雲右衛門とその妻/若親分 | お宝映画・番組私的見聞録

雲右衛門とその妻/若親分

引き続いて三波春夫だが、今度は大映である。ここで主役を演じたのが「雲右衛門とその妻」(62年)という作品。
明治時代の浪曲師・桃中軒雲右衛門を描いた作品で、実在した人物のようである。三波は元々は浪曲師なので、彼にはぴったりの役ということになる。で、その妻(正確には師匠の妻)を演じるのが月丘夢路である。他の出演者は山路義人、石黒達也、浜世津子、浦路洋子、稲葉義男、杉山昌三九、木村玄など。そして三波演じる雲右衛門の前妻の子として登場するのが三波豊和である。当時7歳で、実の親子の役で親子共演を果たしていたのだ。しかし、豊和のデビューはあくまで76年に歌手として、ということになっているし、ホントに特別な出演だったと思われる。実際に豊和の次の映画出演は85年、30歳になってからのことである。
この三波演じる雲右衛門が三年経って再び登場するのが「若親分」(65年)である。しかし、主演は三波ではなく大映スター市川雷蔵あり、これは「若親分」シリーズの1作目ということになる。
共演は朝丘雪路、藤村志保、そして山下洵一郎、成田三樹夫、杉田康、伊達三郎、杉山昌三九といったお馴染みの大映役者陣、加えて佐藤慶、山田吾一などが顔を見せている。三波は本筋にはあまり関係なさそうである。
どうでもいいことだが、前々項で三波が春太郎という役を演じたと書いたが、伊達三郎の本名は桜春太郎という。本名のほうが芸名っぽいが、本人のキャラには全然合わない名前である。
さて、71年の紅白で三波は「桃中軒雲右衛門」という曲を披露している。思い入れの深い人物だったのであろう。