大忍術映画ワタリ | お宝映画・番組私的見聞録

大忍術映画ワタリ

坂口祐三郎といえば「仮面の忍者赤影」だが、その「赤影」が制作されるきっかけとなったのが「大忍術映画ワタリ」(66年)である。
この映画の完成試写を見た原作者の白土三平が激怒し、公開が危ぶまれたが、説得し公開にこぎつけたという。「ワタリ」はテレビシリーズとしても企画されていたのだが、白土は許さず東映との付き合いを絶ってしまう。そこで急遽、企画されたのが「赤影」だったのである。
白土はアニメ「少年忍者風のフジ丸」において、キャラクター権の独占を狙った東映動画に途中で原作をはずされたという過去があり、映像化には厳しかったという。
さて「大忍術映画ワタリ」だが、監督は船床定男、脚本は伊上勝という「隠密剣士」のラインが起用されていることもあり、娯楽映画に仕上げられている。その辺りも白土が気に入らなかったところであろう。
主役のワタリには青影の金子吉延、爺こと四貫目には白影の牧冬吉、楯岡の道順には天津敏という「赤影」でも御なじみのキャストが起用されている。
他には本間千代子、村井国夫、伊藤敏孝、当時好調だったコメディアンのルーキー新一などがワタリ一族を演じ、百地三太夫に内田朝雄、藤林長門に瑳川哲朗、そしてラストでワタリと戦う音羽の城戸に大友柳太郎だ。
瑳川は当時29歳だったが、これが映画初出演(といっても全部で5本くらいしか出ていない)。まだ無名に近い存在だったと思われるが翌67年の大河ドラマ「三姉妹」の近藤勇役から注目され始めている。
本作でメインともいえるのは伊賀崎六人衆との戦いだが、これについては次回に続く。