喜劇 三億円大作戦 | お宝映画・番組私的見聞録

喜劇 三億円大作戦

田宮二郎の主演でタイトルに「喜劇」の付く映画がもう一本あった。「喜劇 三億円大作戦」(71年)である。三億円事件が起きたのが68年で、70年前後はこの事件をモチーフにした作品が結構多かった。
本作も三億円事件をコミカルに描いたものである。脚本は当時は若手のジェームス三木と特撮ものや「特捜最前線」で知られる長坂秀佳である。
田宮二郎は鰐淵晴子のヒモだったが、ある日三木のり平から現金強奪計画を持ちかけられるというような展開。で、六人の男が強奪計画に参加することになる。田宮、三木の他に、江戸家猫八、三田松五郎、立花直樹、青山啓といったメンバーだ。江戸家猫八あたりは説明不要だろうし、立花直樹も当時は無名の若手だったが後に「ジャンボーグA」や「ザ・カゲスター」などの特撮物で知られるようになる。三田松五郎は「レインボー戦隊ロビン」とか「未来少年コナン」とかで声優を務めていた人で、顔出しの映画出演はこれ一作のようである。しかし、NHKの大河ドラマには結構出演しているようだ。
青山啓という名は聞いたことがないので、調べてみるとやはり映画はこれ一作のようで、歌手であることがわかった。実は青山啓というのは改名後の名で、以前の名は臼井啓吉といい、GSカーナビーツのボーカルであったこと判明した。カーナビーツのボーカルってドラムのアイ高野っていうイメージが強いのだが、ちゃんとボーカル専門もいたのである。正直自分も記憶になかったけれども。ちなみに青山啓名義では「セックス氏の休日」という怪しげなタイトルのシングルを出している。
女優陣では鰐淵の他に、応蘭芳や江美早苗が、落語会からも春風亭柳朝や古今亭志ん朝が顔を出している。藤村有弘や大泉滉が例によって怪しい外国人を演じている。
田宮二郎は前項の「喜劇 泥棒学校」の次の作品(「不信のとき」)を最後に、永田社長の怒りを買い大映を追われており、これは「豹は走った」に続く二度目の東宝出演である。というよりこの二本だけである。古巣の大映はこの71年に倒産している。