宇宙船XL-5(谷啓の宇宙冒険) | お宝映画・番組私的見聞録

宇宙船XL-5(谷啓の宇宙冒険)

月も変わったので新企画というわけでもないが、初めて海外制作の番組について取り上げたい。
ジェリー・アンダーソン制作の人形劇、スーパーマリオネーションといえば「サンダバード」や「キャプテン・スカーレット」、「ジョー90」あたりはかなり有名だと思うが、それらに先駆けて制作されているのが「Fireball XL-5」(62年)で日本では翌63年に「宇宙船XL-5」のタイトルで放送されている。簡単にいうと百年後の未来、世界宇宙パトロール隊の宇宙船ファイヤーボールXL-5の活躍を描いたお話だが、視聴率がよくなかったのか、当時放送していたフジテレビでは12話よりタイトルを変更している。それが「谷啓の宇宙冒険」である。ようするに谷啓が原版にはないナレーションを入れているだけなのだが、それに伴い吹き替えのレギュラーキャストも全員変更された。
ゾディアック大佐(中野誠也→金内吉男)、ビーナス(河内桃子→向井真理子)、教授(袋正→大塚周夫)、ロバート(小美野欣二→太田淑子)といように、顔出しメインの役者から声がメインの役者に変更されている。しかし、小美野欣二から太田淑子というのはよくわからんが。ちなみに原版では、ロバートはジェリー・アンダーソンが、ビーナスは妻のシルビア・アンダーソンが演じていたという。
個人的には、この作品を見た記憶はない。配給を担当していた太平洋テレビが脱税容疑で訴えられたりして業務を停止し(無罪になったらしい)、放映権が宙に浮いた形になっているらしく、国内での放送は難しいようだ。まあ、YouTubeなどで原版の一部を見ることはできるが。
翌年に放映された「海底大戦争スティングレイ」も途中で「トニーの海底大戦争」に変更されている。こちらはのナレーションはトニー谷である。