大日本殺し屋伝 | お宝映画・番組私的見聞録

大日本殺し屋伝

ついでなので、前項で名前の出た「大日本××伝」シリーズの最終作となる「大日本殺し屋伝」(65年)についても触れておこう。
とにかく殺し屋が沢山出てくる作品だが、花登喜劇なので、どうみても殺し屋には見えない面々が殺し屋を演じることになる。高品格などのいる五光会の雇う殺し屋が、大村崑、平凡太郎、人見きよし、白木みのる、土方弘、長弘など10人で、松本染升率いる安西組が雇う殺し屋が、夢路いとし・喜味こいし、佐々十郎、由利徹、佐山俊二、E.H.エリックの6人と土方や長を除けば、とても弱そうな殺し屋が並んでいる。
この16人が正体不明の殺し屋№1を追って展開するドタバタというような内容のようである。その№1が主演である宍戸錠で、エースのジョーならにスペードのジョーを演じている。その弟分に左とん平、藤山寛美で、ヒロインとなるのは山本陽子である。他にも錠の実弟・郷鍈治や、海野かつを、川上のぼるらが組員を演じている。藤山寛美は松竹はもちろん東映の任侠映画には結構出演しているが、日活は本作くらいではないだろうか。
日活における花登筐の作品はこの「大日本」シリーズだけのようである。その作風は当時の日活には合っていなかったように思う。ちなみに花登の三人目の奥さんは若大将シリーズでお馴染みの星由里子である。